ニュース 2021/10/07 18:00
中国:好況の鉄鋼業界、無秩序な増産避けるべき
経済・統計
中国の鉄鋼業界が生産調整の時期を迎えている。足元では記録的な増収、増益を確保しているものの、生産効率の向上などの経営圧力は増大中だ。鋼材価格が無限に上昇するはずもないなか、増産に着手した一部鉄鋼企業に対する取り締まりも強化されている。経済日報が7日付で伝えた。
業界団体の中国鋼鉄工業協会によると、経営規模が一定水準を超える会員企業約380社の営業実績は、今年1〜8月にかけて売上高が概算4兆6800億人民元(約80兆7300億円)、利益が2904億人民元に膨らんでいる。前年同期と比較し、それぞれ46.6%増、2.5倍の規模に達した。売上高純利益率も2.56ポイント高い6.20%に改善している。
一方、鉄鉱石や石炭の価格変動は、経営を不安定化させる要因だ。中国政府が「供給サイド改革」を推進した2015年以降、鉄鋼業は過剰な生産能力1億5000万トン以上を淘汰・廃棄。取り締まりを通じて、年産能力1億4000万トンに上る地条鋼(中周波誘導電気炉で製造した粗悪な鋼材)の製造設備を停止させた。
川下需要の拡大、需給調整の一巡が奏功し、国内では鋼材価格が急伸している。ただ、一部の企業が違法な増産に走るなか、市況の変調が懸念される状況だ。川上産業と川下産業の利益配分が変動した場合も、利益が急ピッチに削られる恐れもある。経営体力を温存した今こそ、環境対策強化、生産効率引き上げの好機ととらえるべきと総括された。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
業界団体の中国鋼鉄工業協会によると、経営規模が一定水準を超える会員企業約380社の営業実績は、今年1〜8月にかけて売上高が概算4兆6800億人民元(約80兆7300億円)、利益が2904億人民元に膨らんでいる。前年同期と比較し、それぞれ46.6%増、2.5倍の規模に達した。売上高純利益率も2.56ポイント高い6.20%に改善している。
一方、鉄鉱石や石炭の価格変動は、経営を不安定化させる要因だ。中国政府が「供給サイド改革」を推進した2015年以降、鉄鋼業は過剰な生産能力1億5000万トン以上を淘汰・廃棄。取り締まりを通じて、年産能力1億4000万トンに上る地条鋼(中周波誘導電気炉で製造した粗悪な鋼材)の製造設備を停止させた。
川下需要の拡大、需給調整の一巡が奏功し、国内では鋼材価格が急伸している。ただ、一部の企業が違法な増産に走るなか、市況の変調が懸念される状況だ。川上産業と川下産業の利益配分が変動した場合も、利益が急ピッチに削られる恐れもある。経営体力を温存した今こそ、環境対策強化、生産効率引き上げの好機ととらえるべきと総括された。
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