ピックアップトラック・SUV生産の長城汽車（2333/HK）は日産自動車（7201/東証1部）から、スペインの完成車工場を買収する方向で交渉を進めている。日産のスペイン法人などが1日明らかにした。日産は2021年末にスペインでの工場閉鎖を予定しており、長城側はバルセロナ工場の買収に関心を示しているという。
　外電報道によると、日産はスペインでバルセロナなど3地域に完成車工場、部品工場を保有。現地で約3000人を直接雇用し、産業チェーン全体の間接雇用は約2万人に達する。長城汽車はうちバルセロナの大型工場に関心を示しており、約1300人の雇用を引き継ぐ予定。このほか、2カ所の工場についても買収を検討中とされる。
　長城汽車がバルセロナ工場の買収に成功すれば、同社にとっては南欧初の生産拠点となる。同社はこれまで、買収などを通じてロシア、タイ、インドに工場を設置。今年8月には、ドイツ同業の同業ダイムラーから、ブラジルの工場を買収すると発表している。
　長城汽車は河北省保定市の政府工場をオーナーの魏董事長が買い取り、成長させた。「哈弗（Haval）」ブランドのSUVが主力。年産能力は134万台（20年末）。市場シェアは、ピックアップトラック、SUVで国内首位に付ける。輸出にも注力。東欧や中東、中南米など新興国を中心に幅広く出荷している。


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