中国で引き続きオンラインゲームの新規リリース審査が停止されている。これまでは国家新聞出版署が1カ月に1回程度のペースで承認した新作タイトルのリストを公表してきたが、同署のウェブサイトでは9月30日の時点で、7月分（7月22日発表）の発表を最後にリストの更新がストップしている状況だ。香港英字紙のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト（SCMP）は29日、今回の審査停止はゲームコンテンツに対する当局の監督強化スタンスを反映したもので、規制はさらに強化される可能性があると報じている。
　SCMPの報道によると、中国政府系のゲーム団体がこのほど行った会員向けの研修で、ゲームのコンテンツに対する当局の審査が厳しくなっていることが明らかとなった。ゲームは政治色のない「純粋な娯楽」ではなく、「正しい価値観」と「中国の歴史・文化への正しい理解」を反映したものであるべきとの方針が示されたという。
　中国当局が公表しているゲーム審査の基準は、ゲームが中国の法律に違反していないか、国家機密を漏えいしていないか、暴力的な表現が含まれないかなどだ。ただSMPCによると、この基準は現在、より具体的で厳しいものになっている。
　例えば、架空の世界をテーマとするゲームで、プレイヤーが殺人を犯すような内容を含むものは、当局に好意的に受け取られない可能性がある。また、「女性的な男性」や「史実のわい曲」なども規制の対象となっているようだ。
　SCMPは9月9日の時点で、中国当局がオンラインゲームの承認プロセスを遅らせていると報じた。中国当局は未成年者のゲーム中毒を防ぐことなどを目的に、新しいゲームの数を減らす方針という。
　中国ではオンラインゲームを新しくリリース（出版）する際、「版号」と呼ばれる許可番号を取得する必要がある。担当政府部署の再編などに伴い、この「版号」付与審査は2018年4月から数カ月にわたり一時停止されていた経緯がある。この間、事前に「版号」を取得していたゲームのみリリースが認められていた。



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