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  ニュース     2022/06/07 18:00

中国の日本料理店が高級路線、高コスト経営や食材表記に虚偽も 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国全土で近年になって、多様な業態の日本料理店が相次ぎ登場している。多くは「高級」を売りにしており、客単価1000人民元(約1万9600円)を超える店舗も珍しくない。しかし、「不当に高いのではないか」とする消費者の苦情や疑問も少なくない状態だ。法治日報が6日付で伝えた。
 なぜ消費額が高騰するのか。福建省のある日本料理店オーナーは「冷たい料理が多く、生鮮食材が多い。鮮度の要求も高く、コールドチェーンへの依存が高い。サーモンや和牛など一部の食材は直接輸入している店もあり、そもそも高い食材に輸送コストが積み上がるため、最終的に高額になってしまう」と説明した。また、調理師の技術に依拠する部分が大きく、厳しい修行を経て現場に出ることから、人件費にも跳ね返る。さらに店の雰囲気作りのための内装コストも高めなのだという。
 一方、高級である点を売りにしながらも、実は安い食材を使って中抜きを図っているという批判もある。サーモンを中国産のマスに置き換える店もあり、「低温処理していなければ寄生虫の危険がある」との指摘もみられた。また、天ぷらやたこ焼きなどは「手作り」を掲げながら半製品を使っているという関係者の証言もある。
 美団(メイトゥアン:3690/HK)が発表した「中国飲食ビッグデータ2021」によると、日本料理の平均客単価は2019年で101.4人民元、20年は100.3人民元で推移した。飲食全体の中でも上位に入る。口コミアプリでは、北京市で最も高額な日本料理店の平均消費額は4500人民元超。重慶市では1人当たり平均消費額が1000人民元を超える店舗は8店あるが、うち5店を日本料理店が占めた。湖北省武漢市では、平均消費額ランキングで上位10店のうち8店が日本料理店。平均客単価はいずれも1200人民元を超えた。


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