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  ニュース     2021/10/06 18:00

香港:新界北部を大開発、施政方針演説で表明 無料記事

 香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は6日の施政報告(施政方針演説)で、新界北部の一大開発構想を明らかにした。香港の最北部で、広東省深セン市に隣接する元朗区、北区の2行政区を「北部都会区」と名付け、住宅・交通インフラ開発を大々的に進める。同エリアにおける産業発展も推進し、香港南西部にある既存のハイテク産業基地「数碼港(サイバーポート)」に並ぶイノベーション拠点へと成長させる計画だ。

 元朗区、北区の2行政区は、敷地面積が約300平方キロに及ぶ。同エリアで新たに約600ヘクタールの土地を開発することで、16万5000〜18万6000戸の住宅供給が可能となる見通しだ。建設済み、計画中の住宅も含めると、「北部都会区」の開発完了時には同エリア内の住宅数が90万5000〜92万6000戸に達する見込み。これは人口約250万人の受け入れが可能な規模だ。

 インフラ開発では、元朗区・洪水橋、厦村と深セン・前海を結ぶ「港深西部鉄道」を建設するほか、東鉄線(紅カン〜羅湖)を深セン側の羅湖駅まで延伸する計画などを発表。産業面では、元朗区・落馬洲の約150ヘクタールの土地を「新田科技城」などイノベーション施設の建設に充てる。

 このほか、香港全体としても住宅供給の拡大、インフラ建設の強化などを図っていく。向こう10年で350ヘクタール、公営住宅33万戸を提供する計画だ。民営住宅用としては170ヘクタール、10万戸分を供給する方針。また、向こう数年にわたり基礎インフラ予算として毎年1000億香港ドル(約1兆4350億円)超を投入する計画とした。

 さらに気候問題では、2035年までに日常発電に石炭火力を利用することを停止する方針。現時点で、香港の発電燃料構成のうち、石炭の占める比率は4分の1にまで低下している。なお、林鄭長官は昨年の施政方針演説で、2050年までのカーボンニュートラル達成を掲げている。

 香港政府によると、2021年6月末の域内人口は、前年同期比8万7100人(1.2%)減の739万4700人に縮小したという。香港国家安全維持法(国安法)が施行された20年6月末以降、海外移住が加速した。


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