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  ニュース     2021/10/11 18:00

中国:朝鮮戦争の英雄侮辱、元ジャーナリスト拘束 無料記事

 海南省公安庁(警察)は7日、朝鮮戦争に参戦した中国人民志願軍の英雄を侮辱する文章をミニブログ上で公表したとして、元ジャーナリストの羅昌平・容疑者を拘束したと発表した。同省三亜市の警察が羅氏を取り調べている。同庁は「英雄烈士の名誉を侵す行為は厳しく処罰する」と強調した。複数メディアが伝えた。
 米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、羅氏は著名な元ジャーナリスト。羅氏は現在、中国で公開中の朝鮮戦争を主題とした映画「長津湖」に絡み、零下35度の戦場で死亡した英雄をネットスラングで「愚か者」と評した。このほか朝鮮戦争についても「半世紀たっても、この戦争が正義であったどうか、反省する中国人は少ない」などとミニブログに投稿した。
 映画「長津湖」は国慶節連休(1〜7日)に合わせて封切られていた作品。大ヒット作品となっており、7日時点の興行収入は33億人民元(約576億円)と、国慶節映画の最高記録を更新している。
 同映画が主題とする長津湖の戦いは、1950年11〜12月に行われた標高2000メートルの山岳地帯での戦闘。極寒の中、多数の中国人民志願軍の将兵が凍死した。
 RFAによると、シドニー工科大学の馮崇・教授は「米中関係が緊張する中、中国当局は愛国映画によって国民に対して国家への忠誠を促している」と指摘。羅氏の拘束について、「愛国的な話題については、いかなる批判や論評も許されないことがみてとれる」と分析した。


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