【亜州ビジネス編集部】リチウム資源の争奪が中国で続いている。商品情報サプライヤーの北京百川盈孚科技有限公司（BAIINFO）によると、8月23日の電池向け炭酸リチウム売値は、前日比1万1000人民元(10.5％)高のトン当たり11万5430人民元に達した。1日の値上げ幅で今年最大を記録している。中国証券報が25日付で伝えた。

　電気自動車（EV）向け動力電池の需要拡大を見越し、値上がりピッチが加速している。上海有色網の価格データによると、23日のリシア輝石（リチウムとアルミニウムを含む単斜輝石）相場はトン当たり890米ドル（約9万7900円）にまで高騰。年初来の上昇率を113.17％にまで拡大させた。リチウム塩のトン当たり相場では、年初来の値上がり率で炭酸リチウムが99.03％高の10万2500人民元、水酸化リチウムが135.71％高の11万5500人民元に達している。

　中国政府系投資銀行の中国国際金融(CICC：3908/HK)によると、世界のリチウム消費量は2020年時点で34万〜35万トン（炭酸リチウム換算量）に上った。21年は43万トン、25年は150万トンに膨らむ見通しという。中国の20年消費量は22万トン。全体の70％を海外輸入に依存した。


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