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  ニュース     2022/06/23 18:00

香港IPO市場が低調、上半期に世界9位へ転落 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】新型コロナウイルスの流行やウクライナ情勢の悪化、世界的な金融引き締めを背景に株式市場が低迷する中、香港の新規株式公開(IPO)市場が低調だ。大手会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツの中国法人が22日発表したリポートによると、各証券取引所のIPO調達額で、香港交易所(香港証券取引所:388/HK)は今年上半期に世界9位に転落する見通しだ。デロイトは併せて、2022年通年の香港IPO調達額見通しも下方修正。年初予測の3300億香港ドルから、1600億〜1800億香港ドル(約2兆7600億〜3兆1100億円)へと約半分に引き下げている。明報が23日伝えた。

 デロイトのまとめによると、香港のIPO件数は今年上半期に24件。前年同期比で22件減少した。調達額は同92%減の178億香港ドルに落ち込んでいる。

 今年上半期のIPO調達ランキングでは、上海証券取引所が首位。以下、深セン証券取引所、韓国証券取引所(KRX)、ドバイ金融市場(DFM)、インド国立証券取引所(NSE)と続いた。

 ただデロイトによると、香港では依然として160社以上がIPO申請を進めている状況。中国本土との相互取引スキームを巡る改革なども追い風となり、下半期にはIPO市場が盛り返すとみている。通年では、香港が世界5位圏内に入る可能性があると指摘した。

 なお、デロイトによると、香港のIPO調達額は21年に4位へ転落(前年は2位)。中国当局によるインターネット企業への締め付けが響き、上場ブームが一服した。香港証取は特別買収目的会社(SPAC)の上場を解禁するなど、IPO市場のテコ入れを進めている。


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