【亜州ビジネス編集部】テスラ（TSLA/NASDAQ）のイーロン・マスク最高経営責任者（CEO）が中国各地を足早に訪問している。5月31日21時26分に上海虹橋空港に着陸し、その3時間後に臨港新片区のEV工場「上海ギガファクトリー」に到着した。テスラ社はマスク氏と上海ギガファクトリー従業員が映った写真2枚を公開している。中国証券報が1日付で伝えた。

　テスラはマスク氏の具体的な移動スケジュールと目的を示していないものの、今回は「Model 3」新モデル、ギガファクトリー拡張、上海蓄電池工場（メガパック工場）着工準備、自動運転対応ECU「FSD（Full Self-Driving）」導入準備などに絡んだ動きがあるとみられている。フライト情報サービスの飛常准（Variflight.com）によると、マスク氏の保有するプライベートジェットは、1日午前に離陸する予定。米テキサス州オースティンに向かうとされる。

　今回3年ぶりに訪中したマスク氏は、5月30日に北京市内で秦剛・外交部長と会談。米中の経済的なつながりを切り離す「デカップリング」に反対するとともに、中国ビジネスを拡大していく考えを伝えた。また、同日には車載バッテリー大手、寧徳時代新能源科技（CATL：300750/SZ）の曽毓群・董事長と会食している。

　翌31日は工業情報化部の金壮竜・部長と会談。新エネルギー自動車（NEV）とスマートコネクテッドカーの産業成長を加速するための意見を交わした。さらに商務部の王文濤・部長を訪問。米中2カ国間の経済・貿易協力、テスラの中国成長戦略について話し合った。中国国際貿易促進委員会の任鴻斌・会長とも面会。米中エネルギー産業の連携、工業・商業界の交流、第1回の中国国際サプライチェーン博覧会に関する会話を交わしている。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。