【亜州ビジネス編集部】胡潤研究院が8日発表した2022年度版「中国富豪ランキング」で、農夫山泉（ノンフー・スプリング：9633/HK）創業者の鍾センセン氏（68）が2年連続の首位に輝いた。傘下企業の株価上昇などを受け、鍾氏の保有資産は前年比17％増の4550億人民元（約9兆2140億円）に膨張。過去20年来の同番付で最高額を記録している。
　ミネラルウオーターの中国最大手の農夫山泉は香港マーケットに2020年上場した。鍾氏は初めて同番付にランクインし、一躍3位に浮上。2021年には首位にまで躍進していた。
　2〜3位も前年と同じ顔触れで、北京字節跳動科技（バイトダンス）創業者の張一鳴氏（39）、寧徳時代新能源科技（CATL：300750/SZ）創業者の曽毓群氏（54）が続いた。保有資産はそれぞれ前年比28％減の2450億人民元、28％減の2300億人民元。4位には、香港財閥の李嘉誠氏（94）ファミリーが保有資産2200億人民元（2％増）でランクインし、前年の8位から順位を上げた。
　一方、昨年4位だった騰訊HD（テンセント・ホールディングス：700/HK）創業者の馬化騰氏（51）は保有資産2150億人民元（32％減）で5位に転落。また、電子商取引（Eコマース）中国最大手、阿里巴巴集団（アリババ・グループ・ホールディング：9988/HK）創業者の馬雲氏（58）ファミリーは保有資産1800億人民元（29％減）で9位までランクを落とした。馬雲氏は2020年まで3年連続で首位を維持していたが、2021年には5位に転落。中国当局による締め付けを受け、テンセントやアリババの株価は大幅な下落を強いられている。
　このほか、不動産業界の富豪のランクダウンが目立った。中でも、資金繰り悪化に直面する中国恒大集団（3333/HK）創業者の許家印氏（64）は前年の70位から172位へと急降下。保有資産は59％減の300億人民元だった。許氏は2020年時点では5位に付けていた。
　なお、ランクインした保有資産50億人民元以上の富豪は11％減の1305人（平均年齢58歳）。これら1305人の保有資産は、合計で18％減の24兆5000億人民元に目減りした。
　胡潤研究院は中国在住の英国人経済ジャーナリスト、ルパート・フージワーフ氏（中国語名：胡潤）が創設したリサーチ機関。1999年以来、「中国富豪ランキング」を公表している。今年で24回目。今回の番付は、2022年9月15日時点の保有資産をもとに作成された。


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