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  ニュース     2024/05/13 16:00

中国:広告看板を前方車両と誤認、急ブレーキ作動で理想「L9」事故 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】今年4月初めに自社EV製品「L9 Pro」が起こした事故に関し、メーカーの理想汽車(LI/NASDAQ、2015/HK)は「高速道路脇に設置された広告看板に描かれた自動車の絵を実車両と誤認したため」とする調査結果を報告した。運転手が高速道路で運転補助機能を起動したところ、前方看板の五菱ブランド貨物車を停車中と認識。安全確保の急ブレーキが作動し、運転席と助手席のエアバックが開いた。運転手は顔面と腕を軽度に負傷し、後続車は避け切れずL9に追突したという。中国新聞網が12日に伝えた。

 理想汽車L9 Proは、高速道路を跨ぐように設置された広告看板に反応。小型貨物車を検出した。交通警察の判断では、L9 Proの運転手が事故の全責任を負う。

 理想汽車によると、この車種はカメラとミリ波レーダーで前方の障害物を識別し、運転補助システムにパラメータを提供する。センサーの認識能力の制約により、現在は一部のシーンで正確な認識が困難な場合もあるという。

 理想汽車フラッグシップSUVのL9モデルは、価格が40万人民元(約864万円)を超える。L9 Proはスマートドライビングカメラ10個と超音波レーダー12個を搭載した。スマートドライビングシステムには、自動緊急ブレーキや緊急回避などの安全機能が備わっている。

 理想汽車のEV製品は、過去にも誤認の問題で同様の事故を起こした。2023年5月に理想L7が国道を通常通り走行中に、運転補助システムが反応。広告看板に写っていた陸上競技選手「蘇炳添」を人間と誤認し、緊急ブレーキが作動した経緯がある。

 緊急ブレーキ以外にも、理想汽車のレーダー認識機能は「バグ」によって注目された。23年3月、ネット上に流れたビデオによれば、1台の理想汽車車両が無人の墓地に停車。車のレーダーが周囲に人がいると表示され、歩行者だけでなく自転車に乗っている人までいると誤認した。

 理想汽車のカスタマーサービスによると、現在の運転補助機能は、「レベル2」に属し、運転者が車両をより簡単に操作できるよう支援する。この機能を使用する際には、運転者が常に前方の道路状況に注意を払い、また、ハンドルを握り続けなければならない。緊急な状況が発生した場合、運転者は速やかに運転を引き継ぎ、車両の安全な走行を確保する必要がある。今回の事故で明らかになった問題にも言及し、「車内で改善を推進している」と補足した。


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