【亜州ビジネス編集部】中国完成車メーカーの一角が「春節ボーナス支給計画」を披露した。業界大手の長城汽車（GWM：2333/HK）は、総額40億人民元（約856億円）を支給する。従業員1人当たり平均約5万人民元（約107万円）近くに達する計算だ。毎日経済新聞が23日付で伝えた。

　長城汽車の魏建軍・首席執行官（CEO）は22日の新春年会を主催し、8万2000人に達する全従業員に多めの春節ボーナスを配ると予告している。これを受けて、ネット上では従業員からは「硬派を貫く素敵なボス」などと称賛された。一方、一般ユーザーからは「いきなり40億人民元を賞与に回すとは、本当に儲かっているに違いない。自動車業界のボーナス最高額か」などとする反応がみられた。

　長城汽車によると、賞与40億人民元は2024年純利益124億～130億人民元（前年比76.60～85.14％増）の約3分の1に相当する。非経常的損益を除いた純利益は94億～100億人民元で、前年比で94.47～106.88％増える見込みだ。

　昨年以降、理想汽車（LI/NASDAQ、2015/HK）、賽力斯集団（SERES：601127/SH）、比亜迪(BYD：1211/HK)などの新興勢、または自主系自動車メーカーが社員に報奨金を相次ぎ支給している。たとえば24年10月には、「BYD従業員が7万～8万人民元の特別報奨金を得た」などと話題になった。BYDは24年1～9月の中国会計基準業績で売上高が前年同期比18.9％増の5022億5131万人民元、純利益が18.1％増の252億3811万人民元と2ケタ増収増益を達成している。

　24年には理想汽車も「年末賞与が多額過ぎる」などとネットを騒がせた。ある従業員によると、平均4～8カ月分の賞与が支給され、高評価の社員はさらに上積みされたという。また、理想汽車の李想・董事長兼CEOはこのほど、「業務提携関係にある華為技術有限公司からは事業プロセスだけでなく利益配分も学ぶ。両輪がそろってこそ企業の発展が実現する」とコメント。25年の春節ボーナスに期待感を抱かせた。

　長城汽車による総額40億人民元の大盤振る舞いを受け、今後どこがその額を上回るのかにも、注目が集まっている。業界全体の見方によると、自動車など製造業の賞与額は、各企業の景気指標だ。どこの企業が順風満帆で、どこが苦しいかは、賞与を見れば一目瞭然といえる。


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