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  ニュース     2017/12/08 15:47

車シート世界最大手の米アディエント、中国アフターマーケット開拓 無料記事

 自動車シート世界最大手の米アディエント(ADNT/NYSE)は、中国の自動車アフターマーケットの開拓に乗り出す。現地企業との合弁会社を設立予定。並行輸入車を購入した個人や、商用車の改造を必要とする事業者向けに自動車シートを販売する。快適な長時間の着座を可能にする「可動シート」などの新ソリューションを提案していく。盖世汽車などが7日付で伝えた。
 新会社「安道拓(天津)汽車配件銷售有限公司」を立ち上げる。北京市の自動車内装パーツメーカー、北京羅輪佳汽車零部件有限公司との共同出資。天津東疆保税港区に登記する。
 アディエント中国区責任者は、「中国の完成車市場で培った過去20年のノウハウをベースに、世界トップレベルのシート製品を中国のアフターマーケットに投入する」と表明。「新会社設立を通じて、自動車シートソリューション分野で中国アフターマーケットのリーダーになる」と意気込みを語った。
 アディエントは2016年に米ジョンソン・コントロールズのシート事業から分離して設立された新会社。世界最大の新車販売市場に成長した中国市場を重要視している。新会社以外に、すでに中国39都市に合弁19社を展開。工場79カ所、研究所4カ所を設けた。17年度の中国での売上高は81億4,000万米ドル(約9218億円)を見込んでいる。
 一方、中国完成車メーカーもシート市場の成長性に着目。充電電池・自動車メーカーの比亜迪(BYD:1211/HK)は今年10月31日、自動車部品メーカー大手の仏フォルシア(Faurecia)と中国に合弁会社を設立すると発表した。社名は「深セン仏吉亜汽車部件有限公司」。自動車シートを中心に、部品の生産を行う予定だ。合弁会社の登録資本金は7億6000万人民元(約130億円)。うち30%に当たる2億2800万人民元をBYDの子会社が、残り70%の5億3200万人民元をフォルシアの中国現地法人が出資する。新設される合弁会社は、フォルシア中国現法の子会社扱いとなる運びだ。
 またBYDグループは合弁会社に対し、自動車シート事業と関連資産を譲渡する構え(価格は未定)。BYDは今後、同合弁会社から自動車シートを調達する格好となる。フォルシアと合弁することで、BYDは自動車シートの品質を引き上げると同時に、コストを抑制できると説明した。
 フォルシアはシートや内装材、排気システムなど自動車部品の生産に従事。主要顧客には、フォルクスワーゲン、ルノー、ダイムラー、アルファロメオ、フォード、トヨタ、日産など世界の自動車メーカー大手が名を連ねる。中国には1992年に進出。武漢に最初の合弁工場を立ち上げた。現在では、成都、重慶、広州、南京、青島、上海、武漢、瀋陽などに44カ所の工場を構える。


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