ニュース 2024/12/17 13:16
中国:吉利系の極越汽車、販売不振でリストラへ
産業・企業
高級自動車ブランドの杭州極与越汽車科技有限公司(極越汽車、Jiyue Auto)が経営難に陥った。浙江吉利控股集団と北京百度網訊科技有限公司という大手企業の出資を受けたにもかかわらず、足元で販売苦戦から抜け出せていない。2024年の販売実績は、11月がわずか2485台、1~11月が1万3000台に低迷している。証券日報などが17日付で伝えた。
夏一平CEOは12月11日、ビデオ会議で全従業員に対し、会社が現在直面している困難に言及し、即時の調整を要する。機能や職務が重複している部署を統合し、利益を生まないプロジェクトを削減すると説明した。
また、世界の自動車産業は今日、前例のない変革を経験している。新エネルギー化とスマート化が加速するなか、激しい戦いが間もなく始まると指摘した。各ビジネスラインの段階的な目標、実行計画、必要なリソースを確定したうえで、短期間に財務成績を改善できないプロジェクトを削減すると予告している。発足1年半未満の極越汽車をめぐっては、人員削減の観測が数日前から流れていた。
浙江省杭州市蕭山区に本拠を置く極越汽車の前身は集度汽車で、創業時から吉利(Geely)や百度(BIDU/NASDAQ、バイドゥ:9888/HK)、後には寧徳時代新能源科技(CATL:300750/SZ)や蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)と手を組んでいた。2023年8月、集度汽車は正式に「極越」ブランドに改称し、その前に吉利が65%、百度が35%の株式を保有した。これは「集度」がこれまで積み上げてきたブランドイメージをリセットし、吉利系のレッテルが付いた「極越」の誕生を意味する。
ただ、その販売実績は、期待に応えられていない。現在は「極越01」と「極越07」の2車種を投入しているが、市場の反応は事前予想よりも低調だ。
今年の「広州モーターショー」(11月15~24日)で、極越は世界初のAIスマートドライブスーパーカー「極越ROBO X」と「極越07 Passion」の新モデルを発表。高級スマートドライブを全国的に提供する最初の自動車ブランドになると宣言した。ただ、この分野でもすでに競争が激しく、車種の販売台数が増えなければ収益化は難しいとみられている。
勝ち残りをかけたNEV企業の淘汰は、すでに始動した。普及率の向上とともに、NEV市場は「価格戦」から「淘汰戦」に進展し、業界の再編も生じ始めている。24年は威馬汽車科技集団や高合汽車(華人運通投資)、ナタ汽車(合衆新能源汽車)など新興EV勢力の一部で販売難、または資金不足が伝えられた。
自動車業界の景気も頭打ちとなっている。業界団体の全国乗用車市場信息聯席会(乗聯会)によると、24年1~10月の中国自動車業界は、売上高が前年同期比2.0%増の8兆3320億人民元(約176兆1400億円)に上る一方、利益額は3.2%減の3758億人民元に落ち込んでいる。業界の利益率は4.5%に低下した。うち10月の利益率は4.1%に悪化している。自動車製品の販売1台当たり利益は、22年の2万人民元、23年の1万70000人民元、24年1~10月の1万5000人民元に縮小した。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
夏一平CEOは12月11日、ビデオ会議で全従業員に対し、会社が現在直面している困難に言及し、即時の調整を要する。機能や職務が重複している部署を統合し、利益を生まないプロジェクトを削減すると説明した。
また、世界の自動車産業は今日、前例のない変革を経験している。新エネルギー化とスマート化が加速するなか、激しい戦いが間もなく始まると指摘した。各ビジネスラインの段階的な目標、実行計画、必要なリソースを確定したうえで、短期間に財務成績を改善できないプロジェクトを削減すると予告している。発足1年半未満の極越汽車をめぐっては、人員削減の観測が数日前から流れていた。
浙江省杭州市蕭山区に本拠を置く極越汽車の前身は集度汽車で、創業時から吉利(Geely)や百度(BIDU/NASDAQ、バイドゥ:9888/HK)、後には寧徳時代新能源科技(CATL:300750/SZ)や蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)と手を組んでいた。2023年8月、集度汽車は正式に「極越」ブランドに改称し、その前に吉利が65%、百度が35%の株式を保有した。これは「集度」がこれまで積み上げてきたブランドイメージをリセットし、吉利系のレッテルが付いた「極越」の誕生を意味する。
ただ、その販売実績は、期待に応えられていない。現在は「極越01」と「極越07」の2車種を投入しているが、市場の反応は事前予想よりも低調だ。
今年の「広州モーターショー」(11月15~24日)で、極越は世界初のAIスマートドライブスーパーカー「極越ROBO X」と「極越07 Passion」の新モデルを発表。高級スマートドライブを全国的に提供する最初の自動車ブランドになると宣言した。ただ、この分野でもすでに競争が激しく、車種の販売台数が増えなければ収益化は難しいとみられている。
勝ち残りをかけたNEV企業の淘汰は、すでに始動した。普及率の向上とともに、NEV市場は「価格戦」から「淘汰戦」に進展し、業界の再編も生じ始めている。24年は威馬汽車科技集団や高合汽車(華人運通投資)、ナタ汽車(合衆新能源汽車)など新興EV勢力の一部で販売難、または資金不足が伝えられた。
自動車業界の景気も頭打ちとなっている。業界団体の全国乗用車市場信息聯席会(乗聯会)によると、24年1~10月の中国自動車業界は、売上高が前年同期比2.0%増の8兆3320億人民元(約176兆1400億円)に上る一方、利益額は3.2%減の3758億人民元に落ち込んでいる。業界の利益率は4.5%に低下した。うち10月の利益率は4.1%に悪化している。自動車製品の販売1台当たり利益は、22年の2万人民元、23年の1万70000人民元、24年1~10月の1万5000人民元に縮小した。
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