【亜州ビジネス編集部】中国のチェーンホテル市場が引き続き成長を維持している。中国飯店協会が22日発表した「2025年中国酒店業発展報告」によれば、全国のチェーンホテル客室数は2024年に前年比で31万6100室（4.68％）増加した。中国のチェーンホテル総数は24年末時点で約9万3300軒となり、客室総数は707万室に迫る勢いだ。中国政府系メディアが22日付で報じた。

　中国のチェーンホテル市場では、大手企業の急成長が目立つと報告書は指摘している。中国で規模上位50社のホテルグループは、24年の営業客室総数が前年比で63万室（13.00％）増加した。また中級チェーンホテルの客室数も前年比で13.32％増加し、4年連続で2ケタ成長を維持している。

　一連の消費刺激策に後押しされる形で、多様化・個性化された消費の潜在力が拡大している。なかでも「文化観光＋商業」モデルが急速に発展。ヘルスケア・保養型宿泊（逗留）や無形文化体験などのコンテンツを特徴とした差別化されたホテル商品が成長を遂げた。こうした中、報告書は農村地域の経済発展と地域活性化を目的とした「一村一品」（各地域が独自の特産品や産業を育成）の特色あるIPがホテル業界の地方市場開拓に新たな成長余地をもたらすと分析している。また人工知能（AI）の活用によって、ホテル業界のスマート化、効率化、デジタル化が加速されると予測した。

　一方、中国全体のホテル店舗総数は24年に34万8700軒。客室数は1764万室に達し、2018～19年のピーク時を上回った。

　中国ホテル業界の次のステップとして、中国飯店協会の陳新華・会長は「協会が中心となって引き続き基準の整備を強化し、料理の評価基準、ホテルデジタル化運営とサービス基準などの関連基準を早期に策定するほか、高齢者・子供向けサービス消費の新シーンを積極的に拡大し、業界のサービス供給品質を不断に向上させていく」と述べた。


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