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  ニュース     2025/12/18 12:56 NEW!!

中国:甘粛省の荒地がグリーン電源地帯に、太陽エネルギー開発 無料記事

【亜州ビジネス編集部】中国西北部に広がる「沙戈荒」(砂漠・ゴビ・荒地の相称)がグリーン電力の宝庫に変容している。内陸に位置する甘粛省は、風力・太陽光の開発可能量が全国上位だ。未利用地の総面積は19万7000平方キロメートルに達し、全省面積の46.3%を占める。国の新エネルギー発展戦略で基礎条件が最も良いエリアのひとつだ。中国政府系メディアが18日付で伝えた。

 酒泉市の金塔鎮に位置する「金塔10万kW溶融塩タワー式太陽熱発電プロジェクト」は、今年中国が初稼働させた「沙戈荒」実証発電所のうち、単体規模が最大のタワー式光熱発電所でもある。この10万kW発電事業には、2万5000枚以上の追光式鏡が配置された。太陽高度に追随し、自動的に反射角度を調整する。鏡群の設置面積は、標準サッカー場108面分に相当する77万平方メートルに及ぶ。

 タワー式光熱発電所の中心には、吸熱塔が立てられている。タワー上部の液体溶融塩は、560度超まで加熱されると、融塩タンクに貯蔵。電力が必要なときに水と熱交換して高温高圧蒸気を生成し、最終的にタービンを回してグリーン電力を出力する仕組みだ。

 金塔鎮の10万kW溶融塩タワー式太陽熱発電プロジェクトは、今年5月28日に電力系統連系を実現した。併設の容量60万kW太陽光発電プロジェクトと合わせ、年平均で14億5000万kWhのグリーン電力を生み出す。石炭48万トンの消費が省かれる計算だ。

 同じく甘粛省の沙戈荒には、玉門の「10万kW溶融塩線形フレネル式光熱発電所」がある。屈折率の異なる物質が接触する境界面に光を入射させると一部の光が反射されるフレネルの原理を導入し、太陽光の多重反射を利用する仕組みだ。太陽放射を集熱管に集光して溶融塩を加熱し、最終的に高温蒸気で発電する。

 甘粛省の太陽熱発電プロジェクトは、足元で設備容量が62万kWに達した。タワー式、リニア・フレネル式、パラボラ・トラフ型など、業界主流の発電技術はいずれも現地で実装が進んでいる。


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