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  ニュース     2025/12/19 15:28 NEW!!

中国:タングステン粉末が年初来で220%高、供給不足など背景 無料記事

【亜州ビジネス編集部】中国でタングステン(W)相場の上昇が続いている。タングステン業界の情報プラットフォーム「中ウ在線(China Tungsten Online)」のデータによると、今月18日時点で、タングステン精鉱、タングステン中間原料APT(パラタングステン酸アンモニウム)、タングステン粉末の価格はいずれも上昇が続き、なかでもタングステン粉末(純度99.7%以上)はトン当たり101万人民元(約2230万円)に達した。年初来で219.6%上昇している。21世紀経済報道が19日付で伝えた。

 市場関係者によると、足元の相場上昇は主要メーカーが12月上旬分の長期契約価格を引き上げたことが一因。また、年末を迎えて鉱山の点検・整備増加による供給ひっ迫も背景にあるという。中ウ在線は「原料供給の引き締まりが依然として市場を主導している一方、需要側には慎重姿勢が広がり、産業チェーン全体の流動性が制約されている」と分析。「市場参加者は江西省、広東省の大手タングステン企業の長期契約価格を注視している」と指摘した。

 タングステンは中国の重要な戦略的鉱産資源で、総量規制が実施されている。自然資源部は2025年4月、同年の第1陣採掘枠を発表し、全国のタングステン鉱(三酸化タングステン含有率65%)の採掘上限を5万8000トンに設定した。これは前年を6.5%下回る水準となる。

 タングステン相場の上昇を受け、株式市場では中ウ高新材料(000657/SZ)、厦門ウ業(600549/SH)など関連銘柄の株価が好調だ。うち中ウ高新材料の株価は年初来で約200%上昇し、タングステン相場の上昇率とほぼ同等に値上がりしている。


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