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  ニュース     2019/09/24 18:59

上海FTZ編入の臨港新区に企業殺到、1日当たり企業登記40社以上 無料記事

 上海自由貿易試験区(上海FTZ)に組み入れられた「臨港新区」に内外企業が殺到している。わずか1カ月で200件近い投資商談を実施し、30社近くが進出を決定した。8月20日から9月7日の期間だけでも、1日平均40社超のハイペースで新企業が登記されている。毎日経済新聞が20日付で伝えた。

 進出企業は、半導体装置の米ACMリサーチや聚力成半導体、中国の総合商社である華彬集団の華東本部、中国信科集団傘下の次世代情報技術会社である大唐網絡の5G研究開発本部など。9月12日に共同契約署名式を開催した。

 臨港新区の行政サービスセンターでは8月末、工商企業登記システムが処理量過多でパンク。職員は手書きで企業登録文書を処理する事態に陥った。同センターの職員は、「臨港新区が成立する前と比べて作業量は格段に増えた」と話す。1日当たり200人以上、最近は300〜400人が事務手続きに同センターへ訪れ、うち多くが企業の設立・移転に関する内容だという。

 企業や移住者が増えるにつれて、現地の住宅取引も熱を帯びてきた。58安居客房地産研究院がまとめた「国民住宅購入指数報告」によれば、中国一線都市の8月住宅取引熱は、北京と広州でやや後退する一方、上海の“熱気指数”は前月比で7.8%も上昇した。

 臨港新区の第1期開発エリアは119.5平方キロメートル。これにより上海FTZの全体面積は2倍に拡大された。臨港新区は長期的に873平方キロメートルまで拡張される計画。1つの県級市に相当する規模となる。

 国務院は8月6日、「中国(上海)自由貿易試験区臨港新片区全体プラン」を公布。2025年までに比較的成熟した投資・貿易利便化システム、35年により成熟した制度を確立。経済グローバル化に中国が深く融合していくための重要キャリアとして「臨港新区」を発展させる――との全体目標を掲げた。さらに8月末、「臨港新区の質的発展促進に向けた特殊政策実施に関する若干意見」(通称:臨港50条)を公布し、同区の戦略的位置付けをより明確化している。全50条のうち、人材誘致や都市周辺サービスに関する政策に23項目を割く内容。上海市戸籍の取得要件緩和や、所得税の軽減、住宅購入優遇などが盛り込まれ、かつて辺鄙な農村だった臨港新区は一躍、「上海市で最も優遇される注目エリア」へと大変貌を遂げる。


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