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  ニュース     2019/08/15 18:59

テンセント4〜6月期は35%増益、売り上げは予想下振れ(詳報) 無料記事

 インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)は14日引け後、2019年第2四半期(4〜6月)の業績を発表し、純利益が前年同期比35.1%増の241億3600万人民元(約3630億円、希薄化後EPS:2.520人民元)に拡大したと報告した。売上高は20.6%増の888億2100万人民元。純利益は市場予想(229億人民元)を上回り、2四半期連続で拡大したが、売上高は市場予想(934億人民元)を下回る水準だった。
 主力のゲーム事業は回復傾向を示したものの、オンライン広告の伸びが減速。うちオンライン広告では、メディア広告収入の減少が響き、部門増収率が16.3%とどまった(前年同期は39.0%、前四半期は25.1%)。これについて同社は、比較対象となる前年同期にサッカー・ワールドカップ(W杯)が開催され、広告収入が大きく伸びていた反動が大きいと説明。ただ一部メディアでは、動画共有アプリ「ティックトック」を提供する北京字節跳動科技(バイトダンス)などの競合他社に広告収入を奪われたと指摘されている。
 部門別の売上高は、スマホゲームを含む付加価値サービス(VAS)が14.3%増の480億8000万人民元、決済サービスやクラウドなどのフィンテック・企業サービスが37.3%増の228億8800万人民元、オンライン広告が16.3%増の164億900万人民元で推移。VAS部門のうち、スマホゲーム事業の売上高は26%増の222億人民元とプラス成長を回復した(前四半期比でも5%増)。中国当局がゲーム審査を再開し、配信タイトル数が増えたことが主因。自主開発のバトルロイヤル(生き残り)系最新ゲーム「和平精英」のフル貢献は第3四半期(7〜9月)以降になるとみられ、今後一段の売り上げ拡大が期待されている。
 これら各事業が基盤とするスマホ向けメッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」のユーザー数は増加が続く。同アプリの月間アクティブユーザーは、6月末の時点で7.1%増の11億3270万人に伸びた(前四半期比では1.9%増)。また、同社の看板サービスであるIM(インスタント・メッセンジャー)「QQ」の月間アクティブユーザー数は0.6%増の8億790万人(前四半期比1.8減)だった。
 6月中間期の業績は、純利益が前年同期比24.8%増の513億4600万人民元(希薄化後EPS:5.362人民元)、売上高が18.4%増の1742億8600万人民元。中間配当は実施しない方針だ。
 テンセントはネット・モバイル関連の付加価値サービス、ネット広告、Eコマースを収益の柱とする。看板商品のIM「QQ」で築いた膨大な顧客基盤とブランド力を背景に、SNS、ミニブログ、オンラインゲームなど次々と新分野を開拓してきた。足元では、スマホ向けメッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」の利用者が11億人を突破。同サービスを基盤に、各事業の収益を伸ばしている。


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