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  ニュース     2019/08/16 19:27

液晶モニター冠捷は中間黒転、パネル値下がりで収益性改善(詳報) 無料記事

 モニター・液晶テレビOEMの冠捷科技(TPVテクノロジー:903/HK)は15日引け後、2019年6月中間期の業績を発表し、純損益が2681万米ドル(約28億円、希薄化後EPS:0.0114米ドル)の黒字に転換したと報告した。前年同期は1034万米ドルの赤字。売上高は前年同期比7.5%減の41億7413万米ドルドルだった。中間配当は実施しない方針だ。
 主力材料のパネルが大きく値下がりする一方、製品のモニターは価格が相対的に安定。テレビ出荷の減少で売り上げは縮小したものの、粗利益が2.9%増の4億717万米ドルに拡大している。粗利益率は8.8→9.8%(↑1.0ポイント)に改善した。600万米ドルの為替差益を計上したことも利益水準を押し上げた(前年同期は3110万米ドルの差損を計上)。
 部門別では、主力のモニターが堅調。同部門の売上高は2.0%増の25億2000万米ドルに伸びた。平均単価は1.3%安の111.5米ドルに下向いたものの、出荷数が3.2%増の2260万台に伸びている。一方、テレビ部門の売上高は23.1%減の14億3000万米ドル。市場競争の激化する中、組み立て受注が減少した。出荷数は19.4%減の600万台に落ち込み、平均単価も7.5%安の238.60米ドルに低下している。
 冠捷科技は液晶モニター受託生産の世界大手。TFT-LCD(液晶モニター)の受託生産で世界首位。液晶テレビや他社からのOEMも手がける。11年11月、蘭フィリップスのテレビ事業を承継。TPVとフィリップスは7:3の割合で出資し、同事業の受け皿となる合弁会社TP Visionを設立した(12年4月)。フィリップスのテレビ研究・開発、生産、販売業務・資産(中国、インド、米国、カナダを除く)を移管。TP Visionは「フィリップス」ブランドを5年間使用する権利を得る一方で、特許使用料を毎年支払う(23年まで)。


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