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  ニュース     2019/08/01 08:45

中国:宅配大手「値下げ」競争、データ収集優先 無料記事

 中国の宅配大手間で配送料の値下げ競争が白熱化している。業務量拡大は、物流のデジタル化やスマート化に欠かせないデータ収集につながるだけに、宅配各社は少しでも多くの顧客を獲得したい意向。「向こう数年間は値下げの動きが続く」との見方もある。毎日経済新聞が7月31日付で伝えた。

 国家郵政局のまとめによると、宅配業の配送単価は今年上半期、前年同期比で1.6%安い12.2人民元(約194円)に低下している。市内便7.0人民元、市外便8.1人民元、国際便53.6人民元となり、いずれも値下がりした。

 宅配上場大手の中間業績でも、単価の下落を業務量で補った構図が鮮明となっている。中間期はいずれも増収を確保。順豊が17.3%増の494億7900万人民元、韵達快逓が142億8300万人民元、圓通速逓が120億8300人民元、申通快逓が97億2600万人民元を売り上げた。期中業務量は、順豊が8.98%増の20億2700万件だったほか、中通快逓、韵達、圓通、申通の4社は2ケタ増を実現。それぞれ53億7000万件、43億3400万件、38億200万件、30億1100万件に拡大している。一方、6月の宅配単価は、順豊が23.21人民元(↓12.8%)、申通が2.85人民元(↓8.36%)、圓通が3.02人民元(↓10.89%)などに低下した。

 この背景には、上位企業間の競争激化がある。今年に入り、風達快逓、安能物流、遠成快運といった中堅勢が相次ぎ市場撤退。業界集約度がさらに高まった。大手各社の足元シェアは、宅配件数ベースで中通が過去最高の19.9%、韵達が15.5%、圓通が13.7%、申通が10.8%、順豊が7.3%で推移。中通と韵達のTOP2シェアは、18年と比較して顕著に拡大した。

 こうしたなか、大手各社は新市場開拓に着手。ソーシャルメディアとEC(電子商取引)を組み合わせた「ソーシャルコマース」の配達需要を取り込んだ。海外マーケットに続いて、「農村市場」も新たな主戦場になりつつある。


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