新型コロナウイルスによる打撃が深刻な中国の飲食業界で、一部の有名チェーン店がメニューの価格を引き上げたとして、物議を醸している。

　今回値上げに踏み切ったのは、火鍋大手の「海底撈」と内モンゴル自治区発祥の「西貝」。生き残りをかけて、来店客数の減少分を客単価の引き上げでカバーしたい考えだ。工人日報などが9日までに伝えた。

　同国内では新型コロナの感染拡大に一定の歯止めがかかっているとみられるが、国民の間にはまだ感染への心配から外食を控える動きがある。また飲食店は店舗営業を再開したものの、当局の指示に従って客席の間を広くするなどの対策をとっているため、多くの客を集めにくい状況だ。

　こうした中、「海底撈」は一部メニューの価格を調整し、全体では平均6％までの値上げに踏み切った。一方、「西貝」の値上げは実際には今年初のことだという。材料の値上がりを理由に価格を引き上げたが、値上げ幅が大きかったため、「新型コロナの影響か」と改めて注目を集める形となった。大手チェーンの値上げが報じられると消費者の間には動揺が広がったが、新型コロナの影響による打撃を考えれば「仕方がない」との声も上がっている。



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