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  ニュース     2020/03/23 19:08

中国:上海IC大手の活動再開率、99%以上に到達 無料記事

 上海市に拠点を置く集積回路(IC)企業の間で、春節後の活動再開が進んでいる。主要IC企業の活動再開率は、3月18日までに全体の99%を超えた。ICファウンドリ世界5位の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)、同9位の華虹半導体(1347/HK)、中国電子信息産業集団有限公司(CEC)子会社の上海積塔半導体有限公司(GTASemi)などの大手企業では、従業員の職場復帰率が軒並み95%を上回っている。上海市経済情報化委員会からの報告として、澎湃新聞などが伝えた。
 上海市当局は企業の生産再開を全面的に支援している。原材料の調達、物流網の確保、防疫物資の供給などを展開し、川上〜川中〜川下の連携を円滑化したという。製造ラインの多くは24時間態勢で稼働しているだけに、産業チェーンの一部が目詰まりしただけで、全産業に影響が及ぶためだ。
 青浦区では、半導体関連素材の生産を手掛ける独BASF工場の再稼働を助けている。わずか1日間で再操業許可を与えた。同素材の供給停止が続いた場合、上海市内の半導体工場が向こう2週間以内に全面停止に追い込まれるという情報を事前につかんだためという。
 一方、上海微技術工業研究院、上海燁映電子技術有限公司(Yysensor)、上海華虹宏力半導体製造有限公司は、体温計用の赤外線温度センサチップ開発・生産を優先。華虹半導体傘下の上海華力微電子有限公司は体温計用の半導体メモリを供給した。中芯は華為技術有限公司の5G通信向け半導体チップを受託生産。華為は同5Gチップを導入し、各地で医療分野の緊急通信環境を整えた。台湾積体電路製造(TSMC:2330/TW)傘下の上海工場も医療用の設備・計測装置向けの中核半導体チップを大量に受託生産したという。
 こうしたなか、半導体工場の誘致も同時に推進した。光学デバイス生産の格科微電子(香港)有限公司は5日、CMOSイメージセンサ(CIS)工場を建てることで臨港新片区管理委員会と覚書を交わした。投資額は22億米ドル(約2420億円)に設定している。12インチのウェーハを加工し、固体撮像素子CISの量産に現地で乗り出す。年内の着工、2021年の第1期プロジェクト完成を想定した。


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