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  ニュース     2020/08/28 17:59

中国:産休社員に手書きリポ強制、相次ぐマタハラ被害 無料記事

【亜州ビジネス編集部】出産や育児休暇を取得した女性社員への「マタニティ・ハラスメント」が中国で絶えない。このような中で、上海市のある家具メーカーが産休期間の社員に対し、毎日手書きで「販売の気づき」について手書きリポートを提出させていた事実が発覚した。インターネット上では批判の声や、「私も被害に遭った」と体験談を語る声もある。新京報がこのほど伝えた。

 上海の家具メーカーは産休中の社員に対し、1時間当たり600字の手書き作文を要求。8時間勤務換算で、毎日4800字を書かせていた。書き損じは1文字につき50人民元(約774円)、フレーズの重複は100人民元、提出が遅れると500人民元の罰金も追加徴収していたという。いずれも明らかな不法行為であり、「企業の悪しき習慣」、「追い出し工作の一環では」などとネット上では批判が噴出。被害にあった社員は最終的に退職し、企業側も公的に謝罪した。

 この事件が報じられるとネット上では、「私も似たような体験がある」、「わけのわからない仕事を振られて、真面目にこなさないと反抗しているとみなされた」など、多数の声が異口同音に上がった。近年のマタハラ事案では、2019年に広州市で出産後に無理な配置転換をされた複数の女性社員の被害がある。

 これらのように表沙汰になるのは少数の極端な例に過ぎないが、その背後には隠れた多くのハラスメントが潜んでいる。特に民間の中小企業の場合、結婚や出産に伴う女性社員へのコストを負担したがらないケースも多い。また、女性はそれでなくとも就職や昇進時の不利や、妊娠時に辞職を迫られるなどの不利益を被ることも少なくない。特に新型コロナウイルス感染の流行後は、企業がリストラ対象として女性社員をターゲットにするような動きが不安視されている。


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