詳細
検索
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

  ニュース     2020/02/06 18:59

中国:新型肺炎混乱で車各社が販売見直し、ディーラー支援強化 無料記事

 新型コロナウイルスが猛威を振るう異常事態に陥るなか、中国の自動車メーカーが当面の販売戦略を見直している。各メーカーがディーラー支援を表明。ディーラーに対する販売目標設定を見送るなどの対応に動いている。半島網などが6日付までに伝えた。
 感染阻止を図る国務院の指導を受け、多くの自動車ディーラーは春節休暇を2月2日まで延長すると決定したが、感染が収まりをみせないなか、その後多くの地方政府が企業活動の再開をさらに9日まで延ばすよう要求。最も深刻な湖北省では、春節休暇を13日までに延長した。
 これに伴って、多くのディーラーが営業再開時期を再度延期。メーカーとの間で取り決めた2月販売目標の達成に向けた難易度は一段と高まっている。85%超のディーラー店は、春節後の営業再開を2月8日の元宵節(旧暦1月15日)明けに延長した。
 経営圧力が強まった東風悦達起亜汽車(東風汽車、起亜自動車、江蘇悦達投資の合弁)は4日、直営ディーラーの営業再開を10日に延期すると発表。ディーラー負担軽減策として、今年第1四半期の販売戦略修正、ディーラー奨励金の増額を決定した。一致団結して目先の困難を切り抜けようとディーラーを鼓舞するスタンス。海外販売を含めた東風悦達起亜汽車の2019年新車販売はすでに低迷し、前年比21.6%減の28万9895台に落ち込んでいる。
 浙江吉利控股集団(吉利汽車HD:175/HKの親会社)傘下のスウェーデン高級車メーカー、ボルボ・カーも、ディーラー負担軽減措置の導入を宣言。2月の販売目標設定を見送った。ディーラーに対する販売実績評価の基準も緩和する。ディーラー従業員に総額1000万人民元(約1億5760万円)超の補助金支給も決めた。このほか、小規模ディーラーの債務不履行リスク軽減に向けて、返済期限延長を視野に入れた銀行との交渉も推進。新設ディーラーに関しては、設計規格審査などの現場検査を当面停止した。
 中国乗用車市場信息連合会の崔東樹・秘書長は新型肺炎のインパクトについて、「低迷する新車市場にとってみれば、まさに『雪上加霜』(災難の上に災難が重なること)の難局にある」と指摘。「『2020年新車販売は前年比1%増のプラス成長に回復する』とした事前予想達成への圧力になる」と警戒感を露わにしている。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース