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  ニュース     2020/06/10 18:59

テンセントが日本ACG業に関心、複数企業と出資交渉か 無料記事

 中国のインターネットサービス最大手、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が日本のアニメ、コミック、ゲーム(ACG)業界に関心を深めている。プラチナゲームズ、マーベラス(7844/東証1部)に続き、複数のアニメ制作会社やゲーム開発会社と出資を巡る交渉を進めているという。これら分野での日本の専門的な技術を吸収するとともに、コンテンツ制作の中心地である日本での足掛かりをさらに拡大することが狙いだ。外電が10日、消息筋情報として伝えた。
 大ヒットゲーム「NieR:Automata(ニーア・オートマタ)」を開発したプラチナゲームズは2020年1月、テンセントからの出資を受け入れることを表明。また、マーベラスは5月、テンセントから約49億円の出資を受け入れることを明らかにした。テンセントの全額出資子会社は議決権ベースで約20%に相当するマーベラス株を取得し、単独の出資者として筆頭株主になる運びだ。
 報道によると、テンセントはこれまで日本のコンテンツ開発・制作会社の買収を試みてきたが、何度も拒まれた経緯がある。こうした中、同社は「買収」するのではなく、信頼できる「パートナー」になることで取締役会に座席を確保し、新しいコンテンツに優先的にアクセスできる権利を得る考えだ。
 日本産ACGは中国で人気のコンテンツだ。報道によると、世界的人気のショート動画アプリ「ティックトック(TikTok)」を運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)がモバイルゲーム事業に本格参入しており、テンセントと人気漫画「NARUTO-ナルト-」を題材とする新ゲームのライセンスを巡って競合しているとされる。また、オンラインゲーム大手の網易(ネットイース:9999/HK)は今月5日、東京を拠点とする次世代家庭用ゲーム制作スタジオ「桜花スタジオ」を設立すると発表した。
 テンセントはネット・モバイル関連の付加価値サービス、ネット広告、Eコマースを収益の柱とする。看板商品のIM「QQ」で築いた膨大な顧客基盤とブランド力を背景に、SNS、ミニブログ、オンラインゲームなど次々と新分野を開拓してきた。足元では、スマホ向けメッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」の利用者が12億人を突破。同サービスを基盤に、各事業の収益を伸ばしている。


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