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  ニュース     2019/12/23 18:59

中国:国策IC振興ファンド「大基金」、初めて利益確定売り 無料記事

 国策IC産業振興ファンドの国家集成電路産業投資基金股フン有限公司(通称「大基金」)が初の利益確定売りを実施する。フラッシュメモリなど製造の北京兆易創新科技(603986/SH)、タッチパネル・チップ生産の深セン市匯頂科技(603160/SH)、IC設計の湖南国科微電子(300672/SZ)は20日夜、自社大株主の大基金が株式1%以下を放出するとそれぞれ報告。15営業日以降から売却を開始し、3カ月内に保有株数の持ち高を引き下げると通知されたと発表した。
 大基金による持ち株売却は、発足以来で初めて。大基金の保有株は、兆易創新科技3121万3000株(発行済み株式総数の9.72%)、匯頂科技3020万株(同6.62%)、国科微電子2812万5500株(同15.63%)となっている。20日終値で算出した株式1%の時価は、それぞれ兆易創新科技が6億2700万人民元(約98億300万円)、匯頂科技が9億3300万人民元、国科微電子が16億3900万人民元の規模。
 通称“大基金”と呼ばれる国家集成電路産業投資基金の1号ファンドは2014年9月24日に発足。募集予定額を1200億人民元に当初設定し、最終的な募集額は1387億2000万人民元に積み上がった。1号ファンドの運用を手がける国家集成電路産業投資基金股フン有限公司(登録資本987億2000万人民元)には、中国財政部が36.47%、国開金融有限責任公司(国家開発銀行の全額出資)が22.29%ずつ出資。このほか中国煙草、中国移動、亦荘国投、上海国盛、中国電科、紫光通信、華芯投資などが主要株主に名を連ねた。
 1号ファンドは18年9月末までに77プロジェクト、半導体関連55社に投資。集積回路(IC)チップの設計、製造、組立・検査、製造装置、材料などの各分野に資金を注入した。
 一方、自国の半導体産業を振興するための専門ファンド第2号も発足している。国家企業情報サイトによれば、新会社の「国家集成電路産業投資基金二期股フン有限公司」は10月22日に登記完了。登録資本2041億5000万人民元で正式発足した。半導体産業チェーンの強化を目指す。
 株主は27社・組織を数える。中国財政部は225億人民元(持ち株比率11.02%)、国家開発銀行が220億人民元(10.78%)、成都天府国集投資有限公司、中国煙草、電子信息産業集団、華芯投資、建広資産など6社が150億人民元(7.35%)ずつなど。


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