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  ニュース     2020/07/13 19:14

在香港の米企業、「国安法」施行で撤退検討36%=米団体調査 無料記事

 中国が香港に対する統制を強化する「香港国家安全維持法」(国安法)が施行されたことを受け、香港に進出している米国企業の多くが警戒感を強めている。香港の米系企業などでつくる香港美国商会(AmCham Hong Kong)が13日発表したアンケート調査(6〜9日実施、有効回答183社)の結果によると、国安法の施行に懸念を感じていると回答した企業が全体の77.59%を占めた。また、香港からの資本・資産・事業移転を検討していると答えた企業は全体の35.51%という水準。同比率は施行前よりもやや上昇した。

 調査結果によると、国安法の施行について、「極めて懸念している」が40.98%、「やや懸念している」が36.61%と計75.59%を占めた。一方、「あまり懸念していない」が10.93%、「まったく懸念していない」が11.48%で計22.41%だった。このほか、1カ月前と比較して「懸念が増した」と回答した企業が全体の68.31%を占めている。

 国安法に対する最大の懸念は、同法の適用範囲や執行対象が不明瞭なこと(65.03%)。また、香港の司法の独立性への影響(60.66%)、国際ビジネスセンターとしての香港の地位が危うくなる(51.37%)との声も多かった。

 このほか、香港からの資本・資産・事業移転について、「短期的に検討している」が全体の5.46%、「中長期的に検討している」が30.05%と計35.51%を占めた。国安法施行前の6月に実施されたアンケート調査では、同じ質問に「移転を検討する」と答えた企業の比率が29.4%だったことから、香港の先行きを懸念する企業の比率がやや拡大している。

 なお、調査対象となった企業の名前などは明らかにされていない。香港美国商会には、グーグル、フェイスブック、JPモルガン・チェース、フィリップモリス、ユナイテッド航空など米企業のほか、香港地場企業も数社加盟している。


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