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  ニュース     2020/09/16 19:47

中国:コールドチェーン物流拡大、19年は2.33億トン規模に 無料記事

【亜州ビジネス編集部】 コールドチェーン(低温物流体系)の規模が中国で拡大を続けている。交通運輸部の資料によると、2015〜19年にかけた国内市場の規模は、年率平均10%以上のペースで成長した。年間の輸送貨物総量は、15年の概算1億5300万トンから19年の2億3300万トンに拡大している。コールドチェーン物流網を利用した食品の価値は、19年に総額6兆人民元(約93兆2400億円)まで膨らんだ。前年比で24.7%の伸びを記録している。中国政府系メディアが16日付で伝えた。
 業界団体の中物聯冷鏈物流専業委員会によると、冷蔵車・冷凍車の保有台数は、19年時点で全国21万4700台を数える。前年比で19.3%も増加した。総容量は15.6%増の6052万5000トンに伸びたという。
 市場の成長を見越し、京東商城(JD/NASDAQ、9618/HK)傘下の京東物流は14年からコールドチェーン市場に参入した。18年までに倉庫保管・幹線輸送・配達の各サービスを整えている。30省・直轄市・自治区に住む全国消費者90%をカバーした。海外輸出の際にも、価値を失わせることなく出荷可能にしている。
 このほか宅配大手の順豊HD(SF Express:002352/SZ)、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)子会社の菜鳥網絡科技公司(Cainiao)なども新規参入した。保有する不動産を活用し、万科企業(2202/HK)や深セン市宝能投資集団有限公司(Baoneng)が進出している。自社製品を円滑に輸送するために、食品企業も子会社を設立して参入した。光明乳業は領鮮物流有限公司、新希望は新鮮生活冷鏈物流有限公司で事業展開に乗り出している。
 中国のコールドチェーン物流市場は伸びしろが大きい。大手100社のシェアは、合算でも約10%前後にとどまっているためだ。食品だけでなく、医薬業などの分野でも需要は膨大という。
 コールドチェーン物流の要衝として、中国は全国17カ所を選定した。国家発展改革委員会は、「2020年国家骨幹コールドチェーン物流基地建設作業に関する通知」を先ごろ発表。北京市平谷、山西省晋中、内モンゴル自治区バヤンノール、遼寧省営口、江蘇省蘇州、浙江省舟山、安徽省合肥、福建省福州、山東省済南、河南鄭州、湖北省武漢、湖南省懐化、広東省東莞、四川省自貢、雲南省昆明、陝西省宝鶏、青島西海岸新区を指定した。


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