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  ニュース     2019/10/25 19:46

中国:携帯OEM大手の「智慧海派」、経営不振で深セン工場閉鎖 無料記事

 中国の携帯端末OEM大手が経営難に直面している。通信を巡っては5Gという刺激材料が浮上しているにもかかわらず、一部のメーカーは販売の落ち込みが深刻だ。航天通信(600677/SH)傘下の智慧海派科技有限公司(智慧海派)にも、資金繰り悪化の観測が流れている。複数の中国メディアが25日までに伝えた。
 智慧海派の全額出資子会社、深セン市海派通訊科技有限公司(海派通訊)は工場の閉鎖を決定。社内から流出した14日付の通知によれば、海派通訊は竜華区の観瀾工場を10月15日に稼働停止する。11月15日に工場を正式閉鎖する予定という。携帯端末の受注が減少するなか、観瀾工場はカーナビゲーション、翻訳機能付ペン型スキャナなどに生産ラインを切り替えていた。
 2013年に操業を開始した観瀾工場は、智慧海派グループが設けた国内四大生産拠点の一角。総面積は1万5000平米を超える。中興通訊(ZTE:763/HK)、努比亜(Nubia)などのOEMを手がけてきた。最盛期は2000人近くを雇用していたものの、直近で約460人にまで削減している。
 部品サプライヤーなどからの情報によれば、資金不足の海派通訊は、8月から従業員給与が支払われていない状況。董事長の趨永杭氏は解任され、航天通信の王群・副総裁が後任に就いた。深セン市南山区の海派通訊本部では、すでに総経理を含む多数の幹部が辞任。国慶節連休の前後に相次ぎ退職したという。
 部品サプライヤーの超微通通訊科技(深セン)有限公司は17年8月以降、海派通訊に対する売掛金の一部が回収できていない。総額27億4100万人民元(約421億円)相当の部品を納入したものの、3億6000万人民元部分が支払われていないという。超微通は海派通訊を提訴済み。一部の資産を差し押さえている。
 航天通信も業績不振。今年第1四半期の売上高は、前年同期比43.12%減の15億7700万人民元に落ち込んだ。5G時代の到来を控え、携帯端末を買い替える動きが止まったと説明している。経営難の智慧海派にも言及し、手元資金が減少するなか、部品調達が滞ったと補足した。


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