新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国各地でマスクの生産規模が拡大されるなか、メルトブロー不織布の価格が急騰している。現地メディアの報道（4日付）によると、1トン当たり価格は足元で、従来の1万〜3万人民元（約16万〜47万円）から少なくとも10倍に上昇した。1トン当たり40万人民元の値を付ける中間業者もいるという。圧倒的な「売り手市場」になっている状況だ。
　マスク需要の拡大を受け、中国では異業種からの参入も相次ぐなど、マスクの急速な増産が進んでいる。国家発展委員会の最新データ（2日発表）によると、2月29日時点で各種マスクの国内日産能力は1億1000万枚、日産量は1億1600万枚に達した。月初との比較で、それぞれ5.2倍、12倍に膨らんでいる。
　こうした中、不織布の増産態勢の整備も進む状況だ。国営の中国石油化工集団は2月24日、不織布生産ライン10本を建設する方針を表明。2億人民元を投じ、北京市と江蘇省で生産ラインを立ち上げることを明らかにしている。


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