中国の各地方政府が5G（第5世代移動通信システム）産業の成長支援に動き出している。このうち天津市政府は3日、「5G産業発展を加速することに関する実施意見」を公布。通信ネットワークの能力を大幅に引き上げる戦略を打ち出した。
　スマート化を推し進める「天津智港」計画を策定し、戦略性新興産業の育成策を強化する。2020年末までに市内の中心地域を5Gサービス基本エリアに加え、応用を推進する予定だ。
　22年末までに5G基礎インフラを完備する。基地局数は4万カ所を想定。5Gに絡んだ応用場面の多様化、ハイエンド産業の集積化を目指す。5G中核企業10社以上を育成する計画だ。5G産業の生産額を300億人民元（約4660億円）以上、5G周辺産業の生産額を1000億人民元以上に拡大させる。5G重要デバイスの主要生産拠点に躍進する狙いだ。
　天津市浜海新区の「中新天津生態城（天津エコシティ）」などで製造業のデジタル化、ネットワーク化、スマート化を促す。リアルタイム監視、大型積卸設備の遠隔操作、コンテナ輸送車の自動運転を実現する構想だ。
　V2X（車車間・路車間通信）環境の整備、5Gモデル商圏の構築、医療・メディア・観光のスマート化も図る。国家の5G重点プロジェクトを請け負った企業に対しては、最大1000万人民元の奨励金を与えるという。


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