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  ニュース     2020/02/04 18:59

中国:新型肺炎で不良債権拡大、最悪87兆円増加も=S&P 無料記事

 米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は最新リポートで、新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を受け、中国の不良債権が増大するとの見通しを示した。景気減速で銀行業が影響を受けるためで、最も悲観的なシナリオで5兆6000億人民元(約87兆円)増加すると試算している。国内銀行の不良債権比率は6.3%と、現行水準(2019年9月末時点で1.86%)の3倍以上まで悪化する恐れがあるとした。香港メディアが4日伝えた。
 また、最も悲観的なシナリオで不良債権引当カバー率(不良債権に対する貸倒引当金のカバー率)は55%まで急低下する見込み。19年9月末時点では187.63%だった。
 新型コロナウイルスによる中国経済への影響について、終息がいつになるか、マイナス影響を緩和するための効果的な政策を打ち出せるかがカギになるとS&Pは指摘。ダメージの大きさは、重症急性呼吸器症候群(SARS)流行時よりも大きくなる可能性を指摘した。2003年のSARS流行時、中国の4〜6月期GDP成長率は9.1%と前四半期から2.0ポイント減速したが、7〜10月期には再び伸びが加速している。
 なお、中国銀行保険監督管理委員会の最新データによると、国内商業銀行の不良債権比率は19年9月末時点で1.86%となり、前四半期末の1.81%から0.05ポイント上昇した。不良債権残高は2兆3672億人民元と、前四半期比で1320億人民元増加している。不良債権引当カバー率は187.63%と、前四半期末の190.61%から2.98ポイント低下した。


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