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  ニュース     2020/06/08 18:59

「コロナ白書」中国発表、入院医療支出209億円など負担 無料記事

 世界に先駆けて「新型コロナウイルス感染抑え込み成功」を宣言した中国政府は7日、「新型コロナ流行反撃の中国行動」と題する白書を発表した。約3万7000字で綴られた同白書は、「コロナ大戦」の軌跡や、対策・救助の現場を振り返るなど自国を評価する内容。5月31日時点で退院した感染患者延べ5万8000人の総医療費13億5000万人民元(約209億円)について、公的医療保険や財政支援などを通じて全額を国費負担したなどと報告した。
 感染患者の1人当たり入院医療費は約2万3000人民元となった計算。うち重症患者の1人当たり治療費は15万人民元を超えた。数十万〜数百万人民元の治療費が生じた重篤患者のケースもあったと紹介している。
 注目が集まる新型コロナワクチンの開発状況についても言及。国内で4種の不活化ワクチン(Vero細胞)と、1種のアデノウイルスキャリアワクチンについて、臨床試験の認証を獲得したと報告した。ワクチン開発は総じて海外と同レベルの進度にあるが、一部の技術路線は世界トップレベルに達したという。
 コロナ対策物資の輸出状況も紹介した。3月1日から5月31日にかけて、200カ国・地域に防疫物資を輸出したと報告した。内訳は、マスク706億枚、防護服3億4000万着、保護眼鏡1億1500個、人工呼吸器9万6700台、検査キット2億2500万人分、赤外線体温計4029万個などとなる。
 5月に開催された第73回世界保健機関(WHO)年次総会テレビ会議の演説で習近平・国家主席は、向こう2年間のコロナ対策で20億米ドルの国際援助を行うと宣言した。白書の発表に併せて国務院新聞弁公室が7日に開催した記者会見で外交部の馬朝旭・副部長は、この支援の内容について説明。防疫物資の提供や、一部国へのコロナ後経済復興支援などを行っていく方針を示した。
 


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