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  ニュース     2020/04/24 18:59

中国製スマホ部品に注文取消リスク、コロナ世界蔓延で 無料記事

 世界に蔓延した新型コロナウイルスの脅威が中国スマートフォン(スマホ)産業のサプライチェーンを大きく動揺させている。世界に先駆けてコロナ封じ込めに成功したとされる中国では、「操業再開」の政府大号令の下、スマホ産業全体の生産再開率が3月時点で9割に達した。しかしこの時期は折しも、海外の感染急拡大時期と重複。海外輸出向けをにらんで生産を急いだ部品供給がだぶつく事態をもたらした。海外マーケットの“急凍”を背景に、中国のスマホ部品メーカーは今回、海外受注キャンセルのリスクにもさらされている。21世紀経済報道が24日付で伝えた。

 IT専門調査会社IDCのグローバルハードウエア研究チームでマネージャーを務める高鴻翔氏によると、スマホ部品受注キャンセルの波は第2四半期に本格到来する見通し。プリント配線基板(PCB)などスマホ端末のキーパーツ分野で集中すると警戒している。ただ、半導体チップなどの集積回路に対する需要は、足元でも緩やかな増勢基調を保持。今後の需要動向が好悪のどちらに振れるか見通しづらいだけに、スマホメーカーサイドも発注キャンセルに慎重姿勢という。

 スマホ部品の供給は、足元で過剰懸念が高まっている。今年のスマホ市場に関して業界企業は当初、「周期的な底入れ回復の重要イヤーになる」との見る向きが大きかった。多数の企業が増産に動いた経緯がある。しかし“コロナ襲来”でこの目算は崩れた。スマホ向け光学レンズの世界最大手、台湾の大立光電(3008/TW)はスマホ需要について、「4月は3月より弱く、5月は4月をさらに下回る」と悲観した。

 この背景には、インドや東南アジアなど新興市場がコロナ対策向け封鎖措置を相次ぎ導入した経緯がある。中国のスマホ部品メーカーは生産再開に合わせて、この二大新興市場向けの部品在庫を積極的に積み増した。その規模は、現地のスマホ組み立て需要を上回ったという。大量出荷されたこれら部品の輸出は現在、税関で足止めされている状況だ。


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