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  ニュース     2020/03/24 19:05

中国電信の通期3%減益、20年5G投資は5倍増の453億元(詳報) 無料記事

 通信キャリア大手の中国電信(チャイナ・テレコム:728/HK)は24日、2019年12月期(本決算)の業績を発表し、純利益が前年比3.3%減の205億1700万人民元(約3201億円、EPS:0.25人民元)に縮小したと報告した。売上高は0.4%減の3757億3400万人民元。1株当たり0.125香港ドルの期末配当を実施する方針だ。

 端末などの販売収入が目減りする中で、全体の売り上げが縮小。支払利息の増大も利益を圧迫した。ただ、ネットワーク運営コストの減少などにより、営業費用は0.5%縮小。この結果、EBITDA(利払い・税・償却前利益)は12.5%増の1172億1500万人民元に伸び、EBITDAマージンは29.7→32.8%(↑3.1ポイント)に改善している。

 また、通信サービス収入は安定成長。同収入は2.0%増の3576億1000万人民元に達し、引き続き業界平均を上回るペースで伸びた。中でも、モバイル通信のサービス収入が4.7%増の1755億4600万人民元に拡大。ユーザーの増加が寄与したほか、データ関連収入が高成長を示した。

 携帯電話の通期純増数は3257万件となり、加入総数は3億3557万件に増えた。サービスの差別化などによって順調に新規契約を獲得する中、同社によれば携帯電話の加入総数は業界2位に浮上している。また、19年11月に商用サービスを開始した第5世代(5G)携帯電話のプラン契約数は20年2月末時点で1073万件に達した。5G契約のARPU(契約当たり月間平均収入)は91.9人民元と、4G契約の49.5人民元を大幅に上回っている。このほか、ブロードバンドの加入総数は1億5313万件(年間734万件の純増)、固定電話は1億1085万件(同563万件の純減)だった。

 5G事業については、19年末までに93億人民元を投じ、基地局4万カ所を設置。ほかに中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)と2万カ所を共有しており、合計で6万カ所体制を築いている。20年は設備投資850億人民元のうち、53%に相当する453億人民元(前年比4.9倍)を5G関連投資に充てる計画。年末までに基地局数を30万カ所まで増やす目標だ。

 中国電信は固定通信キャリアの国内最大手。固定電話の加入は減少が続くが、08年の業界大再編で携帯電話事業に参入した。13年12月に4G、19年6月に5Gの商用化ライセンスを取得した。


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