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  ニュース     2020/01/30 18:59

武漢肺炎ワクチン開発に着手、3カ月内に臨床試験へ=米当局 無料記事

 中国湖北省の武漢市を中心に新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化している事態を踏まえ、米トランプ政権はワクチンの開発を急ぐ考えを示した。米保健福祉省(HHS)が28日に開いた記者会見で、HHS傘下の米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ長官が明らかにしたもの。「楽観的なスケジュール」としつつも、向こう3カ月内にワクチン開発に向けた第1段階の臨床試験に着手したい意向を示している。その後は、安全な免疫原性(抗体)データを取得するのにさらに3カ月かかる見通し。第2段階以降のスケジュールについては同期間中の感染動向に左右されるが、「ワクチンが公式に発売可能になるまで、1年かそれ以上かかる可能性がある」と説明している。

 現時点では、新型コロナウイルスに対する実証済みの治療法がない状態。ワクチン完成前にウイルスの流行が終息する可能性があるものの、ファウチ長官は「ワクチンを展開する必要があるケースに備え、作業を進めている。言い換えると、より大きな集団感染が発生するという最悪のシナリオに基づいて動いている」とコメントした。

 このほか、HHS傘下の国立衛生研究所(NIH)は現在、コロナウイルス株を用いたワクチン開発で米バイオテクノロジー企業のModanaと協力中だと説明した。また、中国保健当局がウイルスの分離に成功し、同シーケンス(塩基配列)を公開データベースで共有していることを補足している。


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