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  ニュース     2020/05/19 18:59

中国:テスラが中国販売網増強、急速充電器も4000基設置 無料記事

 米テスラ(TSLA/NASDAQ)が中国事業ネットワークの拡充を加速している。上海に整備した自社初の海外生産拠点「ギガファクトリー3」で生産する主力車「Model 3」のラインアップ拡充に続き、現地の販売・アフターサービスネットワークも増強。今年に入って体験センターとサービスセンターを2カ所ずつ開設した。充電サービスに関しても、新型コロナウイルスの影響で進ちょくに遅延が出る可能性があるものの、「年内にスーパーチャージャー4000カ所を中国に新設する」との事業計画を堅持している。21世紀経済報道が19日付で伝えた。

 テスラが中国に設置したオフラインの体験店舗とショールームは、年初の51カ所から53カ所に増加。サービスセンターも同36カ所から38カ所に増強された。東呉証券は、テスラのサービスセンターについて、年内に63カ所まで増えるとの見通しを報告している。

 新設の体験店2カ所は、いずれもテスラが重要市場と見なす上海市に設置した。うち楊浦区の施設は、販売とアフターサービスを並行提供する新スタイルを導入している。これまでは販売とアフターサービスの機能を店舗ごとに分けていたが、これを一貫提供する多機能ショールームへとバージョンアップした。

 一方、充電サービスの分野では、自社の最新超急速充電器「スーパーチャージャー・バージョン3(V3)」の建設を推進する。同社中国責任者はこれ以前に、下半期に4000基を設置する計画を表明した。

 中国1カ所目の「スーパーチャージャーV3」は2019年12月27日、上海金橋スーパーチャージャーステーションで完成、対外開放している。V3の最大出力は250kWと、V2(120kW)の2倍超。「Model 3」ロングレンジの場合、最も効率の良いときに5分間で120kmの走行を可能にする。

 調査会社ニールセンのまとめによると、テスラ車の4月中国販売は、保険加入ベースで4633台止まり。1〜3月の月間平均と比較して25%も落ち込んだ。前月比でも50%超減少している。テスラに対する消費者疑念が一因にあるようだ。「Model 3」を巡っては、上海工場で生産する「中国製」に限って一部機能を落としたとする「ダブルスタンダード」の疑惑が取り沙汰された経緯がある。


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