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  ニュース     2019/12/16 18:59

中国最大規模のIC組立・検査基地、江蘇省南通に整備中 無料記事

 江蘇省南東部の南通市に中国最大規模の集積回路(IC)組立・検査基地が整備される見込みだ。南通華達微電子集団有限公司傘下の通富微電子(Tongfu Microelectronics:002156/SZ)が総額80億人民元(約1250億円)を投じ、現地の蘇通科技産業園で「通富微電南通工廠・二期プロジェクト」として推進中。完成した工場建屋に半導体組立装置を搬入し、足もとで調整作業に入った。2020年6月の正式稼働を目指している。江蘇省広電融媒体新聞などが16日までに伝えた。

 工場新設の投資プロジェクトは1〜3期に分けて推進する。主にIoTチップ、5G高速チップ、人工知能(AI)チップなどの後工程プロセスを受託する計画だ。第2期プロジェクトの敷地面積は約100ムー(6.67ヘクタール)。高密度配線を実現するFOWLP(ファンアウト型ウェハレベル・パッケージング)技術を導入し、ハイエンドICチップに加工する。完工後は第3プロジェクトを立ち上げる計画だ。

 一方、投資額20億7000万人民元の第1期プロジェクトは、すでに完工・稼働済み。1500万台の製造設備を導入し、毎月1億個以上の半導体チップを組立・検査してきた。中国最大のBGA(半田ボールを格子状に並べた電極形状をもったパッケージ基板)封止能力を擁する。

 南通市崇川開発区に本拠を置く通富微電子は、1997年10月に発足。2007年8月、深セン証券取引所に新規上場した。

 IC製造の後工程では、台湾・中国企業の活躍が目立っている。集邦諮詢傘下の拓ホク産業研究院によれば、売上高の世界上位3社は、台湾・日月光半導体製造(ASE)、米アムコー・テクノロジー(AMKR/NASDAQ)、中国・江蘇長電科技(600584/SH)の順。4位以下は台湾・セキ品精密工業(SPIL)、台湾・力成科技(6239/TW)、中国・通富微電子)、中国・天水華天科技(002185/SZ)、台湾・京元電子(2449/TW)、シンガポールUtac傘下の台湾・聯測科技(UTC)、台湾・ 邦科技(6147/TW)が続いている。

 中国勢の今年7〜9月売上高は、世界3位の江蘇長電が前年同期比で0.3%増の10億600万米ドル(約1093億円)、6位の通富微が19.0%増の3億5200万米ドル、7位の天水華天が23.5%増の3億2400万米ドルで推移している。米中貿易摩擦などの逆風を受けたが、電子機器向けを中心にIC加工需要を幅広く取り込んだ。


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