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  ニュース     2020/03/19 19:07

中国TV大手の康佳が半導体進出、江蘇塩城で工場着工 無料記事

 中国のテレビ大手が半導体メモリチップの組立・検査事業に新規参入する。広東省深セン市に本拠を置く康佳集団(コンカ・グループ:200016/SZ)は18日、江蘇省沿海部の塩城市でICメモリ組立・検査工場を着工した。塩城高新技術産業開発区内に20億人民元(約308億円)を投じる計画。本格稼働時の年産額は40億人民元に上るとみている。DRAMeXchangeなどが19日に伝えた。
 現地で推進する「康佳集団半導体メモリチップ組立・検査プロジェクト」は、今年12月末の第1期完工を想定する。自社グループだけでなく、他社の半導体も加工する予定だ。56%出資する傘下企業の康佳芯盈半導体科技(深セン)有限公司などを通じ、プロジェクトを展開するとみられる。
 康佳は今年2月4日、51%子会社の合肥康芯威存儲技術有限公司を通じ、不揮発性メモリを組み込んだ「eMMC」(NAND Flashを搭載した半導体デバイス)を開発したと報告。「eMMC 5.1」規格に準拠し、製品名「KS6581A」で第1弾ロット10万個をすでに販売したと発表した。スマートフォン、タブレットPC、スマートテレビ、セットトップボックス、カーエレクトロニクスなどの電子機器向けに採用される見込み。今年の販売1億個を想定した。半導体設計の合肥康芯威存儲技術は2018年11月に発足。登録資本5000万人民元で安徽省・合肥経済技術開発区に登記された。
 康佳は18年5月、「半導体科技事業部」を設立すると宣言。向こう5〜10年をめどに、国際的なIC企業の一角へと成長するとの目標を打ち出した。半導体メモリやICパッケージングなどの分野への投資に重点を置き、自主開発と買収を並行で進めていく。向こう5〜10年内に半導体事業の売上高を100億人民元超に引き上げ、中国IC市場で上位10位圏内に食い込むことを目指すと説明した。
 他の中国家電メーカーでは、格力電器(000651/SZ)、四川長虹(600839/SH)、TCL集団(000100/SZ)などもIC事業の参入機会をうかがっている。すでに四川長虹は、洗濯機やエアコン、冷蔵庫向けコントロールチップの供給能力を整えた。


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