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  ニュース     2020/04/09 19:00

ITサービス神州数碼が通期利益倍増、新型コロナは成長機会に(詳報) 無料記事

 ITサービス会社の神州数碼HD(デジタル・チャイナ:861/HK)はこのほど、2019年12月期(本決算)の業績を発表し、純利益が前年比101.8%増の3億184万香港ドル(約42億円、希薄化後EPS:0.1831香港ドル)に達したと報告した。売上高は16.2%増の177億2742万香港ドル。1株当たり0.064香港ドルの期末配当を実施する方針だ。
 各事業の成長が続き、経営効率が向上した。中でも、スマート・サプライチェーンマネジメント(SCM)部門で売り上げが大きく拡大している。また、販売費の減少(↓5.2%)や関連会社売却益の計上などもあり、大幅な増益を達成した。
 部門別では、SCM部門の売上高が42.3%増の53億7382万香港ドルに膨らみ、営業損益が1億563万香港ドルの黒字に転換(前年は603万香港ドルの赤字)。同部門では、電子商取引(EC)向けサプライチェーンサービス事業が96%増収と好調だった。主力のITサービス部門も好調で、売上高が9.3%増の115億381万香港ドル、営業利益が102.0%増の3億134万香港ドルに拡大している。
 また、スマートシティ部門は売上高が24.3%減の2億4291万香港ドルに縮んだものの、営業利益は359.1%増の1149万香港ドルに拡大。長春市(吉林省)、唐山市(河北省)などでスマートシティ構築プロジェクトを受注した。
 新型コロナウイルス流行による経営活動への影響について、同社は一時的なものにとどまるとの見方だ。むしろスマートシティ、物流などの分野で新たなビジネスチャンスをもたらすと期待している。うちスマートシティ事業では、防疫情報システムや生活必需品の価格モニタリングシステムなどさまざまな分野でサービスの引き合いが増えているという。
 神州数碼はITシステム構築事業、ITサービス業務で国内トップクラスの実力。傘下の神州数碼信息服務を通じ、システムインテグレーション(SI)サービスを展開する。金融・通信・政府系企業に強みを持ち、安定的な収益基盤を築く。16年3月、不振の続いていたIT機器販売事業を深セン市深信泰豊(000034/SZ)に売却し、ITソリューション提供会社に転身した。クラウドコンピューティングやビッグデータなど次世代技術に関連する業務を強化している。


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