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  ニュース     2020/07/09 19:10

台湾エイサー6月売上高は4年以上ぶり高水準、緯創などEMSも好調 無料記事

 パソコン(PC)世界大手の台湾・宏碁(エイサー:2353/TWSE)は8日、今年6月の売上高が256億7300万台湾ドル(約939億円)に達したと報告した。前年同月比で4.9%、前月比で27.2%増加し、2015年9月(294億4500万台湾ドル)以来、4年9カ月ぶりの高水準を記録している。新型コロナウイルス流行をきっかけにテレワーク、オンライン教育導入の動きが広がる中、ノートPCやモニターの需要が拡大しているため。需要拡大の恩恵は、電子機器の受託製造サービス(EMS)事業者にも波及しており、緯創資通(ウィストロン:3231/TWSE)、英業達(インベンテック:2356/TWSE)の売り上げも足元で増加している。現地メディアが伝えた。
 宏碁によると、第2四半期(4〜6月)の売上高は656億200万台湾ドル。前年同期比で19.0%増、前四半期比で34.3%増となり、約10四半期ぶりの規模に達した。製品別では、ノートPCが前四半期比で48.4%増収を確保するなど好調。このほか、モニターが同28.9%増収、ゲーミング製品が同70.9%増収を達成している。
 テレワークやオンライン教育の導入が進む中で、EMS各社の業績も好調だ。前出の緯創資通は6月売上高が790億100万台湾ドルに達し、同月としては過去最高を記録した。前年同月比で1.9%、前月比で4.9%ずつ増加している。製品の出荷数は、ノートPCが180万台、サーバーが21万台となり、いずれも前月比で5.0%増加。第2四半期の累計では、ノートPCの出荷数が520万台に膨らみ、前年同期比で23.8%、前四半期比で46.5%ずつ増加している。
 また、英業達の6月売上高も前年同月比12.0%増、前月比16.0%増の534億800万台湾ドルと順調に拡大。売上高は月次ベースの過去最高記録を更新している。ノートPC出荷数は、6月単月で前年同月比5.3%増、前月比17.7%増の200万台、第2四半期の累計で前年同期比16.3%増、前四半期比67.7%増の570万台に達した。
 今度の見通しについて、緯創資通はテレワーク導入拡大の恩恵が第3四半期(7〜9月)も持続するとの見方だ。高水準を記録した前四半期との比較では、ノートPCの出荷数が減少するとみられるものの、460万〜490万台の高水準を維持するとみている。年初は新型コロナ流行でダメージを受けたものの、その後の出荷が好調なことから、通年では前年並みとなる1740万台の水準を確保できると予測した。


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