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  ニュース     2020/06/01 18:59

中国:「月収1000元」人口6億人、李首相発言に注目集まる 無料記事

 5月28日の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)閉幕後に行われた李克強首相の記者会見で、国民の所得水準に言及したコメントがインターネット上で注目を集めている。李首相は新型コロナウイルス流行による国民所得への影響について質問された際、月収1000人民元(約1万5000円)程度にとどまる低所得者が6億人に上ると発言。「アフターコロナ」の政策運営において、「民生」が重点となる点を強調した。
 李首相は会見の席で、「我が国の1人当たり平均年収は3万人民元だが、月収1000人民元の人が6億人いる。月収1000人民元では、中級都市で家を借りることも難しい」と述べた。その上で、景気対策の重点の一つとして、民生に力を入れる方針を示している。
 李首相のこの発言は、ネット上で大きな注目を集めた。国家統計局の発表によると、中国国民の可処分所得は2019年に3万733人民元。つまり月平均2561人民元となる計算だ。李首相の発言をこれに当てはめると、月収が全国平均の39%にとどまる人が全人口の43%を占める計算となる。
 こうした中、国務院系メディアの「経済日報」は李首相の発言に関する専門家の見解を紹介している。同専門家は取材に対し、これら6億人には、高齢者や子ども、学生など収入のない被扶養者も含まれると説明。このため、6億人すべてが月収1000人民元というわけではないと強調した。


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