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  ニュース     2020/06/01 18:59

中国:山東省青島「世界IIoT都市」躍進へ、伝統製造業から脱皮 無料記事

 山東省の主要港湾都市である青島市が産業モデルの転換を急いでいる。「世界的な産業用IoT(IIoT)都市への躍進」をスローガンに掲揚した。「伝統製造都市」からの脱皮を果たし、一足飛びの飛躍を実現する構えにある。中国政府系メディアが5月28日付で伝えた。

 「情報技術製造の深セン」、「インターネット消費の杭州」といったように、「IIoTの青島」を新たな代名詞とする狙い。国際港湾都市という地の利を生かして育んだ、海爾集団(ハイアール・グループ)や海信家電集団(921/HK)、青島ビール(168/HK)、青島双星集団(ダブルスター:000599/SZ)など大手企業を筆頭に、人工知能(AI)とIIoTを融合したビジネスイノベーションを促す戦略にある。

 うち海爾集団が開発したマス・カスタマイゼーション・ソリューション・プラットフォーム「COSMOPlat」は、米ゼネラル・エレクトリック(GE)と独シーメンスの各関連ソリューションに並ぶ「世界三大IIoTプラットフォーム」へと躍進した。すでに3億4000万社のユーザー企業を取り込んでいる。新型コロナウイルス流行で世界的に需要が高まったマスクなどの防疫物資の提供にも大きく寄与。コロナ対応の支援に向けて、防疫物資やその生産設備に関する需給双方の情報を更新し続けている。

 またタイヤ製造の青島双星は、「インダストリー4.0」に基づくスマートファクトリーを世界タイヤ業界で初構築。生産スマート化や、販売・サービス一体化を実現するだけでなく、タイヤ業界の新しいビジネスモデルを探索中だ。

 製造業分野のシェアリングエコノミーも普及し始めている。帽子メーカーが集積する膠州市では、時間貸しで機械や労働者を利用できるシェア工場が完成した。

 IIoTに欠かせない「新インフラ」整備の環境も整いつつある。青島市は中国第1陣「第5世代(5G)移動通信モデル都市」の指定を受けたほか、「AI教育モデル都市」にも認定された。AI関連の大手企業をすでに100近く誘致。設置済み5G基地局数は、山東省全体の5割超を占めた。2022年には5G基地局数が3万基までに増設され、重点エリアを全カバーする5G通信サービスネットワークが完成する。


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