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  ニュース     2020/09/04 18:59

中国:半導体技術、先進国とは大きな差 無料記事

【亜州ビジネス編集部】 米国が8月、華為技術(ファーウェイ)に対する事実上の禁輸措置を強化し、半導体の供給を完全に遮断したことで、中国では自国半導体産業の育成・強化に関心が集まっている。しかし、中国の現状は先進国とは大きな差があり、あらゆる分野で多くの核心的技術を克服する必要がある。光明日報が3日報じた。         
 米国半導体工業会(SIA)によると、2019年の世界半導体業界の売上高は4123億米ドル(約43兆7900億円)に拡大し、このうち米国企業が47%を占めた。一方、中国企業はわずか5%に低迷している。しかもサプライチェーンの下層部にすぎず、基本ソフト、高純度薬品、製造の専用設備と高純度加工設備は全て輸入に頼ってきた。         
 前工程の製造設備では、エッチング、洗浄、露光の分野で北方華創科技集団(NAURA:002371/SZ)、中微半導体設備上海(688012/SH)、中微半導体設備上海股フン有限公司(AMEC)に技術的突破があったが、これでも設備分野の国産化率は20%に満たないのが現状だ。
 材料では、高純度エッチング剤はほぼ全てを輸入している。本体のシリコンウェーハは日米独韓の世界5大メーカーが合算92.8%のシェアを掌握した。
 IC設計では、コア技術である電子設計自動化(EDA)は、中国が最も弱い部分だ。同分野は米独3社が95%のシェアを握る。
 ファウンドリは世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC:2330/TW)が52%、韓国・サムスン電子が15%のシェアを持つ。中国の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)と華虹半導体(1347/HK)のシェアはそれぞれ4.4%、1.5%にすぎない。生産規模でも回路線幅の微細化でも大きく遅れをとっている。
 さらに研究開発(R&D)の面でも、中国業界の対売上高比率は8.3%と、米国の16.4%、欧州の15.4%に比べて見劣りがする。 
 それでも各方面が力を合わせれば、高みを目指すことが可能になるはずだ。中国が自主開発した航空宇宙、高速鉄道、原子力発電と同様に、最終的には世界の先端水準に着実に追いつけると考えられるという。


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