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  ニュース     2020/03/18 18:59

中国:20年乗用車小売、4月コロナ終息で影響200万台=乗聯会 無料記事

 中国流通協会に属する自動車市場研究組織である全国乗用車市場信息聯席会(乗聯会)はこのほど、セダン、ミニバン、多目的スポーツ車(SUV)を合わせた中国の狭義ベース乗用車販売について、「新型コロナウイルス感染拡大が4月に終息すれば、通年販売の影響は出荷ベースで約270万台、小売ベースで200万台にとどまる」との見方を示した。車マーケットは下半期に全面的な回復に向かうと見込んでいる。

 一方、コロナ問題が拡大した場合の最悪シナリオも想定した。「特に感染者の海外からの“逆流”が抑制できずに混乱が下半期も続けば、それによってもたらされる経済的損失や国民所得の減少、サプライチェーン寸断のリスクは計り知れない」と懸念。新車販売は出荷・小売ベースともに前年割れに沈むと悲観した。

 コロナ感染が比較的深刻な湖北、浙江、広東、河南、湖南、江西、安徽、重慶のうち、湖北、浙江、広東、上海は四大車生産地である点を指摘。4エリア生産能力は中国全土の30%を占めるだけに、影響は多大とみている。統計によれば、湖北省は自動車生産で中国4位の規模。2018年の実績は241万8700台に拡大し、中国全体の8.7%を占めた。なかでも武漢市は、車部品メーカーの一大集積地でもある。グローバル大手を含む600社超もの部品メーカーが全国完成車メーカーに製品供給しているだけに、感染拡大による生産停滞や操業再開遅延は、向こう2〜3月カ月にかけて中国の車生産活動に甚大なネガティブインパクトを及ぼすと憂慮しているという。

 また、川下に位置する完成車メーカーからの調達減が響く形で、資本力に乏しい一部の中小部品メーカーは市場撤退リスクにさらされていると現状を指摘。これも一定の部品供給寸断を招き、“コロナショック”期間を長引かせる要因になり得ると補足した。

 乗聯会の発表によると、中国の狭義ベース乗用車販売は1月に前年同月比21%減の169万9000台に低迷。1月としては統計史上の過去最低を切り下げた。コロナ感染が爆発的に拡大した2月に至っては、80%減の25万台にまで縮小。1〜2月合算も前年同期比41.0%減と落ち込んだ。

 ただ、3月12日に発表された週間データによると、3月第1週(1〜8日)の1日当たり乗用車小売台数は1万6325台。前年同期比で51%減少したものの、減少率は2月最終週の61%から縮小した。この数字について、乗聯会は「明らかな改善傾向」と指摘している。


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