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  ニュース     2020/03/18 18:59

“中国のルイ・ヴィトン”山東如意、信用不安が深刻化 無料記事

 “中国のルイ・ヴィトン”と称される山東如意(RUYI GROUP)の資金繰り難が深刻化している。上海清算所は16日夜間、「19如意科技MTN001」の利払い作業が不能に陥ったと通知。代理機関として利払い作業が遂行できなくなったと発表した。
 一方、如意グループ中核企業で発行母体の山東如意科技集団有限公司は17日、利払いを実行するために市場外で社債保有者と直接交渉していると情報開示。債務不履行(デフォルト)案件に該当しないと主張した。債券保有者の全9社は、利払い期日を当初予定の「3月16日」から約3カ月後の「6月15日」に引き延ばすことで合意したという。
 中期手形の「19如意科技MTN001」は2019年3月14日に新発。募集額10億人民元(約153億円)、額面金利7.5%で毎年利払い1回、償還22年3月22日に設定されている。如意科技の残存社債は合計4本で総額54億人民元以上。
 これに先駆けて格付会社の一角は、評価を引き下げた。大公国際資信評估有限公司(DAGONGCREDIT)は3月11日、如意科技の信用評価を「AA+」から「AA-」に引き下げると発表。「19如意科技MTN001」と「18如意01」を「AA-」に修正した。資金調達力の不足などを理由に挙げている。如意科技本体が直接保有する山東如意毛織服装集団(002193/SZ)の株式6051万4700株について、すべて借入担保に供出され、凍結状態にあると指摘。資金不足がさらに進行した場合、子会社経営権の放棄に迫られる恐れがあると説明した。如意科技の負債総額は、19年6月末時点で317億7500万人民元の規模。うち中短期の債務は全体の47.16%に相当する149億8400万人民元に達している。
 紡績工場を前身とする山東如意は、1972年に設立された。国営企業として始動し、その後、1993年に民営化された。如意科技集団は2001年に正式発足。レナウン、SMCP(ユーロネクスト・パリ証券取引所上場企業)、利邦(トリニティー:891/HK)、Ballyなどのブランドを相次ぎ掌中に収めてきた。如意グループは2009年、第三者割当増資でレナウン(3606/東証1部)の株式41%(増資後)を取得。さらに2度目の第三者割当増資でレナウンに対する持ち株比率を約53%に引き上げた。19年末時点の持ち株は、山東如意科技集団有限公司が3333万株(32.9%)、北京如意時尚投資控股有限公司が2035万株(20.0%)となっている。


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