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  ニュース     2020/05/22 18:59

中国NEV市場で外資勢アクセル、自主ブランドシェア初の90%割れ 無料記事

 中国の新エネルギー車(NEV)市場で、外資合弁企業の反転攻勢が鮮明だ。中央政府による強力支援の下で圧倒的シェアを掌握してきた中国自主ブランドの牙城を突き崩す勢いにある。統計によると、今年1〜4月にかけた国内のピュア電気自動車(EV)販売は、乗用車カテゴリーで中国勢の合算シェアが79%に低下。初の90%割れを喫している。プラグインハイブリッド車(PHEV)に至っては、49.13%までシェアを後退させた。往時の隆盛をすでに失っている。盖世大V説が21日付で伝えた。
 この背景にある流れは、欧米ブランドの躍進だ。うち米国勢はテスラ(TSLA/NASDAQ)がその立役者となっている。主力EV「Model 3」の中国現地生産を開始して以降、米系NEVの販売を一気に押し上げた。欧州車では、ドイツ勢が健闘した。なかでもフォルクスワーゲン(VW)とBMWはガソリン車販売で築き上げた競争優位を活用。中国投入したPHVモデルが良好な販売実績を上げた。特にBMWが中国向けに開発した「5シリーズ」ロングホイールベース仕様の「530Le」は、PHVカテゴリーで一時販売トップに躍り出ている。
 中国のNEV市場は、手厚い補助金を受けてきた国内自主ブランド勢にとって優位な状態が続いてきた。数年前のNEV販売ランキングは、中国ブランドほぼ一色だった経緯がある。しかし、市場の自律成長を促す目的で、中国政府は補助金の大幅削減を敢行。中国勢の価格優位は失われつつある。これに加えて、自動車メーカーに一定比率の新エネ車製造・販売を義務付ける「NEV規制」が2019年から導入されるなか、合弁勢がNEV攻勢を一気に強めた。当初は単発モデルの投入にとどまっていたものの、足元でNEVラインアップを強化。中国ブランドのNEV事業に多大なインパクトを与えている。


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