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  ニュース     2020/04/06 19:05

中堅スーパー京客隆は実質9%増益、卸売部門が堅調(詳報) 無料記事

 北京を基盤とする中堅スーパーマーケットの北京京客隆商業集団(814/HK)はこのほど、2019年12月期(本決算)の業績を発表し、純利益が前年比16.4%減の5293万人民元(約8億円、EPS:0.13人民元)に縮小したと報告した。売上高は0.1%増の116億5822万人民元。期末配当は決算監査の終了後に改めて公表する。
 新リース会計基準の適用が減益要因。同要因を除くと8.6%増益だった。中でも卸売部門が堅調。同部門の売上高は4.1%増の64億1175万人民元に拡大している。自主ブランド商品の販売拡大に努めたほか、物流・配送能力の規模拡大や効率化が奏功した。電子商取引(Eコマース)販売の商品構成見直し、利幅の大きい酒類などの販売増加により、部門の粗利益率は11.7→11.8%(↑0.1ポイント)に上向いている。
 一方、小売部門は売上高こそ3.4%減の41億486万人民元に縮小したものの、粗利益率が16.4→17.2%(↑0.8ポイント)に上昇した。市場競争が激しさを増す中、既存店売上高は0.44%減少。業態別の売上高は、ハイパーマーケットとスーパーが各3.1%減、コンビニが4.2%減、百貨店が28.4%減と軒並み縮小している。ただ、利幅の大きい自主ブランド商品の売上構成比が拡大したほか、Eコマース販売の成長によって採算性は改善した。
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、マスクや消毒用品のほか、食品など生活必需品の需要が高まっている。同社は自社が持つサプライチェーンや物流網の優位性を生かし、これら商品の安定供給を確保していく構えだ。また、Eコマース事業の拡大にも力を入れる。
 北京京客隆は「京客隆」「曼妙」「恵廉」「蜜屋」の名称でスーパー、コンビニを展開。店舗数は北京で2番目の規模を誇る。M&Aで事業規模を拡大。10年12月、首聯超市公司の全権益を買収。11年1月には、北京京超商業の残余権益を追加取得し、完全子会社化した。19年末の店舗数は178カ所。うち直営店が152(百貨店1、ハイパーマーケット11、スーパー57、コンビニ83)、フランチャイズが26(スーパー1、コンビニ25)を数える。売り場面積は計25万9237平米。


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