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  ニュース     2020/07/16 19:50

中国:当局が資産バブル警戒か、金融緩和「終了」の見方も 無料記事

 株価や不動産価格の上昇を受け、中国当局が金融政策スタンスを調整する可能性が指摘されている。16日に発表された2020年4〜6月期の国内総生産(GDP)成長率がプラスを回復したことも、「さらなる金融緩和の必要性が低下した」との見方につながっている状況だ。スタンダード・チャータードのエコノミストは、「中国の金融緩和サイクルが終わりに近づいている」との見解を示した。外電が16日伝えた。
 実際、中国人民銀行(中央銀行)は15日に「中期流動性ファシリティ(MLF)」を通じて4000億人民元を市場に供給したが、7月中に満期を迎える過去実施分(7000億人民元)を大幅に下回る規模となっている。金利も前回と同水準に据え置いた。人民銀は毎月20日に銀行貸し出しの指標となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」を発表するが、市場予想では今月も据え置きとなる見通しだ。
 中国の株式市場では、上海総合指数が年初来で10.2%上昇(15日終値ベース)。このパフォーマンスは米ナスダック指数に次ぐ好調ぶりだ(その他主要国の株価指数は総じて下落)。また不動産市場では、足元で住宅価格が上昇している。新型コロナウイルスの感染が拡大した年初に住宅価格が下落したことで買い手が増えたほか、景気対策として投入された「コロナマネー」が住宅投機に利用されているとの観測がある。特に住宅価格の上昇が目立つ深セン市では、地元政府が15日、住宅購入規制の強化を発表した。
 一方、国家統計局が16日に発表した4〜6月GDPは、物価変動の影響を除いた実質ベースで前年同期比3.2%増。コロナ流行の影響でマイナス6.8%となった前四半期から急回復し、2四半期ぶりに拡大に転じた。新型コロナの感染拡大がピークアウトし、経済活動の正常化が進む中、世界に先駆けて成長軌道を回復している。


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